第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第48話 シスターウォーズ エピソード1/4
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二人の前にいるフランドールの様相を改めて説明しよう。
服装は黄色い襟に赤のベストの下に白のカッターシャツを着ている。どことなく霊夢の出で立ちを再現して露出度を抑えたような、そのような例えなるものであった。
「……フランちゃんの下のシャツ、邪魔だなあ」
「何、人の妹を如何わしい想像に使ってるのよ……」
勇美の、吸血鬼である自分よりも邪な念に、さすがのレミリアも引き気味となっていた。
話をフランドールの様相に戻そう。顔立ちは、吸血鬼故に5年は僅かな時間である筈だが、それでもレミリアよりもどこか幼げに見える。
髪は金髪で、それを左側に垂らしたサイドテールにしている。
その上にリボン以外レミリアとは色違いの同じデザインのナイトキャップを被っている。
だが、何と言っても彼女の特徴は背中に生えた翼であろう。
木の枝のような骨組みに七色の宝石が複数垂らされるという、まるで電飾ツリーのような外観なのだ。──普段のフランドールであれば。
今のフランドールの背中の宝石は、まるで汚染物質を流し込んだかのように毒々しい紫色となっていたのだ。
何より彼女自身の目が虚ろで、光が灯っていない事が不気味さに拍車を掛けていたのだった。
「うう……怖い……」
それが今のフランドールを見た勇美の正直な感想であった。
自らフランドールの対処を願ったり、親しくなったレミリアの妹に対する意見としては適切ではないが、今抱く恐怖は綺麗事では決して払拭出来ないものがあったのだ。
「……無理強いはしないわよ」
そんな勇美をレミリアは気遣って言う。彼女は傍若無人であるように見えながらも、節度はわきまえるが故であった。
「いえ、大丈夫です!」
だが、ここで勇美は自分を奮い立たせるべく勇ましく言った。
それは幾分は自尊心による空威張りであった。
しかし、友人であるレミリアの為と、幻想郷の新たなる住人としての責任感から来る気持ちは決して嘘偽りのないものなのだった。
「大丈夫なのね?」
レミリアは最終確認の為に勇美に聞く。これで後々になってやっぱり無理でしたでは足手まといになる、それだけは避けたいが故であった。
「はい、問題無いと言えば嘘になりますけど、私はこの場から逃げるつもりはありません」
時に逃げ道を用意する事に迷いが無くなった勇美であるが、今のこの場ではそれをしようとは思わなかったのだ。
「でも、オシッコちびっちゃうかも知れないので汚す物がないようにパンツ脱いでいいですか?」
「いんや、あなたは単にパンツ脱ぎたいだけでしょ?」
流れを台無しにする発言をする勇美に対して、レミリアはさらりといなした。
「何を言うか! 人聞きの悪い!」
勇美は反論するが、ものの見事に核心を付かれているので全くを以て無意味であった。
「そ
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