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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第48話 シスターウォーズ エピソード1/4
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「先程までは、私はパチュリーに呼ばれて、フランドールを止めるのに加勢しようと考えていました」
「依姫さん?」
 突然そういう事を言い始めた依姫に対して、勇美はどういう真意だろうと首を傾げる。
「どういう意味ですか?」勇美はそのような思いを込めて依姫に聞いた。
 それに対して、依姫は丁寧に答えていく。
「私が加勢すれば、この事態を少し簡単に解決する事が出来るでしょう」
 そして依姫は「ですが……」と続ける。
「私はあくまで月の住人です。故に部外者

「はい」
 勇美は反論する事なく依姫の弁を聞いていた。段々と依姫が言わんとしている事が分かってきたのだ。
「だから、幻想郷の問題は幻想郷に住まう者が解決しなければいけない、そう私は思うのよ」
 それこそが依姫が抱く答えであった。
 今回のフランドールの豹変は、幻想郷が作り出す『日常的に起こる異変』の様式の範疇から逸脱した正真正銘の異変である。
 だが、だからと言ってこれは幻想郷に住まう者自身が解決しなければいけない問題なのだ。
 先程の豊姫の『家族の事は他の家族の手助けを受けてもいい』という理論に、些か反するかも知れない。
 だが、依姫は自分の考えを譲ってはいけないと思うのだった。
 ──あくまで自分は手助けをするまで。それがレミリアと勇美の糧になると考えての事であった。
 そして、勇美はこれに乗る形で話を押し進める。
「こう依姫さんも言っている事です。レミリアさん、どうかここは幻想郷の住人である私に手伝わせて下さい」
 それを聞いてレミリアは、ふてぶてしくありながらも頼もしげな笑みを浮かべて勇美を見据えた。
「いいわ、あなたの心意気、受け止めたわ。でも……足手まといになったら殺すわよ」
「レミリアさん……♪」
 レミリアは時折『殺す』という、心無くある発言をする。
 だが、それは彼女が気分が高揚した時に口にする言葉であり、本気で命を奪おうなどという魂胆はないのだ。
 謂わばレミリアの一種の愛情表現なのだ。
 その事が分かっているからこそ、勇美はにんまりと笑みを浮かべながらレミリアを見据えるのだった。
(これは、勇美の勝ちね)
 そんな知らず知らずの内に行われた駆け引きの勝敗に、依姫は微笑ましい気持ちで見ていた。

◇ ◇ ◇

 豹変したフランドールから待避してそのようなやり取りをしていた一同だったが、万を持して再びフランドールの前に現れたのだ。
 だが、今回は豊姫はいなかった。彼女はいざとなったらその能力を使い、紅魔館の住人を外へ待避させる為にこの場にはいなかったのだ。
 そして、依姫もこの場にやって来ているものの、彼女はあくまでサポートに入り前線には立たないつもりなのだ。
 そう、これはレミリアと勇美の二人の戦いなのだ。
 そして、
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