暁 〜小説投稿サイト〜
MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第48話 シスターウォーズ エピソード1/4
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
体を張って奮闘した無二の友人に想いを馳せながら、自分の事のように得意気に言って見せた。
「あの子ね〜、確か八意様とも張り合う程頭が良いのよね〜」
 かつて彼女が自分の師と知恵比べをした時の事を、豊姫は懐かしく思いながら感慨に耽りたくなった。
 だが、今は思い出に浸っている場合ではない。この異常事態を早く何とかしなければいけないのだ。
 早速、豊姫は本題に入ろうとする。
「レミリアだっけ? あなたに加勢するわ。私にも今は異常事態だって事は分かるから」
 自分と依姫の力があれば、いくらレミリアの妹の様子がおかしいと言えど対処出来るだろう。そう思って豊姫は言ったのだ。
 だが、レミリアから返って来た答えは豊姫の予想に反したものであった。
「……これは私の家族の問題よ。余計な手出しはしないでもらえるか?」
「……」
 それを豊姫は無言で見ていた。
 そこには張り詰めた空気が流れていた。
 そして、次の瞬間。
「この子可愛い〜♪ 見た目幼女なのに立派な事言うのね〜♪」
 ──そう言いながら豊姫はレミリアを揉みくちゃに抱いていたのだった。
 勇美にとっては、一難去ってまた一難であった。この人がレミリアにしている事は、自分が早苗にやられてる事を想起させるからであった。
 だが、取り敢えず勇美は確かめておく事にした。
「豊姫さん、あの流れだと『ビンタ』ですよね……」
「そんな野蛮かつ自己満足な事しないわよ〜」
 あっけらかんと豊姫は言ってのけた。そして勇美は思った事を小声で依姫に言った。
「依姫さん、豊姫さんっていい人ですけど、どこかおかしいですよね……?」
「私もそう思うわ。でも勇美も同じようなものよ」
「はうあ」
 依姫に話題を自分も巻き込まれて、勇美は「この裏切り者〜」と心の中で叫びを上げた。
 そんな悲痛な想いを起こす勇美はさておき、話題はレミリアへと戻り、豊姫が話を再開させる。
「レミリア。あなたが家族の事で他人を巻き込みたくないってのは良い心構えよ。それだけ家族を大切にしてるって事だからね」
「……」
 諭すように話し始めた豊姫の言葉を、レミリアは無言で聞いていた。
 そして、豊姫は続ける。優しい笑みをたたえながら。
「でも、家族が大切だと思うのはみんな同じなんだから、いざという時は他の家族を持っている人に頼るのは、決して恥ずかしい事じゃないわ」
「……」
 レミリアは無言で頷いていた。それは全くを以て豊姫の言う通りであったからだ。
 そして、これ以上レミリアが意固地になる必要もなくなっていったのだ。
 確かにレミリアは自尊心が高い、誇り高い吸血鬼の主だ。しかし、何の分別もなくそれに囚われたりはしないのである。
 現に月で咲夜が依姫に負けた(ように思われた)時は、悪ぶりながら然り気無く彼女をかば
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ