第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第47話 新たなる兆候
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の陰気臭い壁当てられて不気味さを引き立てられている。
詰まる所、それは。
「地下牢ですね」
勇美の指摘するそれが答えであった。
そうなって来ると、やはり答えは決まってくるだろう。
「……これで確定のようね」
「ええ、フランちゃんが原因と見て間違いないですね」
そう勇美は結論付けた。
──フランドール・スカーレット。悪魔の妹と周りから呼ばれる、レミリア・スカーレットの妹である。
彼女は強大な自分の力を制御出来ない上に気が触れているので、普段は地下牢に閉じ込められているのだ。
紅い霧の一件の後は彼女は地下から出てきて顔を出す事も多くなり、紅魔館の住人とも接する機会も増えたが、彼女が危険な存在に変わりはなかったのだ。
だが、普段は彼女は大人しくしており、たまに問題を起こしても紅魔館の住人の力で対処出来た筈である。
だから、今回パチュリーが外部の者、それも依姫という月から来た余所者に頼るというのは異常事態なのである。
「取り敢えず、行くしかないわね」
依姫はそう言い切った。百聞は一見にしかず。今がどのような状態なのかまずは確かめに行かなくては話にならないだろう。
そして一行は地下牢を進み、フランドールがいる部屋まで進んだのだ。
「!!」
そこで目に入って来た光景を目にして、依姫は息を飲んだ。
そこには傷を負い、床につっ伏しているメイド長十六夜咲夜の姿があったからだ。
「咲夜!」
依姫は彼女の名前を呼び、側に駆け寄った。
幸い、傷を負っているものの、大事には至っていないようだ。
「依姫さんですか、どうかお気をつけ下さい。今の妹様の様子は尋常ではありませんから」
「ええ、分かっているわ。貴方程の者がここまでされる何て異常極まりありませんから」
依姫は咲夜の実力を良く分かっているからそう答えた。念願の最戦を経て彼女の強さを再確認したからだ。
「ところで依姫さん。ここで気を失っていいですか?」
「そういう軽口を叩く余裕があるなら駄目です」
「はい、分かりました」
こういう場面でのお約束を果たす機会を依姫に断絶され、咲夜は素直に従うしかなかったのだった。
勇美や主のレミリアに毒されているなと依姫は思った。咲夜は完璧に見えるが、どこか抜けている所があるからだ。
「動けるなら、巻き込まれない所にいなさい」
「はい、そうさせてもらいますわ。今の私では戦えませんが、いざとなったら手助け位は出来ると思いますから」
言って咲夜は依姫達の後方に回って待機する事にしたのだ。
そして、依姫はもう一人この場にいる者に声を掛ける。
その者こそ先程依姫に念による救難信号を送った、パチュリーであった。
「パチュリー、貴方も無事だったようね」
「げほっ、げほっ。無事って言うにはしんどい所だけ
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