第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第47話 新たなる兆候
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なれる依姫に、パチュリーはコンタクトを取る事が出来たという事なのであった。
「パチュリーさんが? と言う事は紅魔館で何かがあったんですね?」
「ええ、詳細はまだ私も分からないけどね」
依姫は首を横に振った。行ってからでないと何事か把握出来ないだろうと。
だが、二人には嫌な予感がしていたのだ。
紅魔館で問題が起こるとすれば、その原因は絞られて来るのだから。
「それでは早く紅魔館に行かないと行けませんね」
「ええ、ここから遠いけど、私がいるから大丈夫よ」
「ちょっと億劫ですけど、頑張ります」
そう言って勇美は苦笑いをした。
その理由は他でもない、永遠亭から紅魔館までの道程だ。
決して近くない上に、永遠亭周辺の竹林を抜け、更に紅魔館周辺の森を抜けなくてはいけないのだ。
しかも今は夜中。妖怪達の時間である。今出歩くのは、彼等の領域に土足で踏み込むのと同義である。
しかし、世の中とは時にツキというものがまるで狙い定めたかのように舞い降りてくる事があるのだ。今が正にその時であった。
「お困りのようね」
「ナイスタイミングです、豊えも〜ん♪」
「私は青ダヌキかっての」
そうその場に現れていたのは、我らが救いの手、はたまたご都合主義の集大成、綿月豊姫その人であったのだ。
「そうですよね、豊姫さんは今青い服着てませんもんね」
豊姫は今も白のノースリーブワンピースにケープの姿だ。
「そういう問題じゃないでしょ。と言うかそもそもこの服、あなたのリクエストでしょ」
「そうでした〜」
テヘッと舌を出して勇美は茶目っ毛を出して見せる。
「って、今はそんな事言ってる場合じゃないんじゃないの?」
「はい、そうでした」
豊姫に言われて今までおちゃらけていた勇美は、うって変わって真剣な表情を見せた。
「紅魔館で何かが起こっているみたいなんです。恐らく……」
「多分勇美ちゃんが読んでいる通りね。だから急ぎましょう」
今は言葉多くしている場合ではない。豊姫は前置きは無しで二人を自身の能力で紅魔館へと送り届けるべく精神を集中し始めた。
「豊姫さん、『気』は感じますか?」
「私の能力はそれとは少し違うから」
だが、まだ勇美のおふざけは終わっていなかったようだった。
豊姫は思う。それじゃあ私は大食いの戦闘民族かと。私は桃を食べ過ぎる傾向にあるけど大食いではない。
挙げ句の果てにスケベな勇美の事だから、その内上半身裸で戦えとか言い出すに違いない。女性としてそれだけは絶対に避けたい。
「勇美ちゃん、真面目に行こうね」
「はい……」
いつになく冷徹な雰囲気を醸し出す豊姫に、勇美は素直に従った。
◇ ◇ ◇
そして一行がたどり着いた先は……。
蝋燭の灯りが頼りなく辺りを照らし、それに石造り
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