ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
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そしてそんな4人の子ども達に混ざってへばっているデジモンは、ゴマモンだ。
ピョコモンの村に着く前の砂漠での移動もそうだったが、ゴマモンは寒冷地域の海洋生物である。
寒さには強いが、暑さにはめっぽう弱い。
空気も乾燥しているから、この環境はゴマモンには辛いだろう。
休憩しようか、という太一の鶴の一声で、4人はすぐ傍にある1本だけ立った木に寄りかかるように座り込んだ。
木が作り出す影のお陰でほんの少し太陽光を遮ることは出来るが、殆ど無風状態では流れ出る汗を乾かすことは出来なかった。
「……やっぱりだめかぁ」
丁度いい大きさの石に腰かけた光子郎が残念そうに呟く。
彼が見ていたのは、キャンプにも持ってきていたノートパソコンである。
ここに飛ばされる前から調子が悪かったが、電源ボタンを入れてもうんともすんとも言わないのだ。
荷物を確認していた時も言ったが、バッテリーは十分残っていたので、そもそも電源がつかないということがあり得ないのである。
一体どうしたことか……と溜息を吐きながらパソコンを見下ろしていた光子郎の呟きを拾った、太一の行動は早かった。
「そういう時は叩けば直る!」
光子郎のパソコンを取り上げ、あろうことか乱暴に叩き始めたのである。
一瞬何が起こったのか理解できなかった光子郎だったが、次いで聞こえてきた治の怒声で我に返った。
「何やってるんだ、お前は!」
滅多に声を荒げることのない治の怒声に、太一や光子郎だけでなく空や丈、ミミ、そして2年生組とデジモン達は、びっくりしてその場で硬直してしまった。
治はそんな一同に気づかず、怒りに満ちた形相を浮かべながらずかずかと太一の下に歩み寄り、太一が持っている光子郎のパソコンを取り上げる。
「あのなぁ、パソコンは精密機器だぞ!?薄っぺらいから信じられないかもしれないけれど、この中にたっくさん小さな部品が密集していて、1つでも欠けたら正常に動かなくなるんだ!ブラウン管のテレビじゃあるまいし、叩いて直るわけないだろう!?壊れたら責任とれるのか!?こういう精密機器は子供の小遣いでどうこう出来るものじゃないんだ!!そもそも人間がいる保証が全くないこんな異世界で、直してくれるような人やモノなんか……!」
「治!ストップ、ストップ!」
青筋を額に浮かべながらマシンガントークをかましそうになる治を、最初に我に返った丈が羽交い絞めにして止めてやる。
親友の治の豹変っぷりに、目を見開いて硬直していた太一は、お、おお、としか返事が出来なかった。
「全く、治らしくないぞ?ほら見なよ、空くんやミミくんだけじゃなくて、2年生達までびっくりして固まっちゃってるじゃないか」
「……済まない。賢、びっくりさせちゃったな?ごめんな……」
「う……ううん。大丈夫だよ、び
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