ちいさなしまのおはなし
ちびっこの交流
[18/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ろしたのもつかの間、太一が顔を真っ青にさせて逃げろと声を張り上げた。
え、って思っていると、ヒカリが悲鳴を上げながら大輔にしがみ付いてきた。
先程降ってきた重たい何か。見たことがなかったが、恐らくデジモンだろう。
そのデジモンが右手を高速で回転させ、振り上げた。
『スパイラルソード!!』
合成したような声で叫びながら、デジモンは振り上げた右手を振り下ろした。
高速回転させた右手はまるで槍のように鋭くなり、その鋩にエネルギーが集められ、三日月の刃のような衝撃波を作り出して大輔達に向かってきた。
危ない、ってブイモン達が大輔達を押し倒すように飛びかかって、間一髪避ける。
どぉおおおおん、という轟音を響かせながら衝撃波が道を抉る。
あんなもの当たったら、一たまりもない。
ゴクリ、と大輔達は抉れた地面を見ながら息を飲んだ。
「ガルルモン!!賢達を護ってくれ!!」
『分かった!!』
本当なら賢達の下に駆け付けて、引っ張って何処か安全なところに連れて行ってやりたい。
だがここから飛び降りるのは幾らなんでも危険すぎるし、何より戦闘の最中に飛び込むほど莫迦でもない治は、下にいるパートナーに小さな弟達を護ってくれるよう、声を張り上げることしか出来なかった。
ガルルモンは大輔達の前に、護るように立つ。
グレイモンが火球を口から放ったが、アンドロモンは片手で掻き消すように薙ぎ払ってしまった。
霧散する火球に怯まず、ガルルモンが蒼い炎を吐き出す。
今度は回し蹴りの要領で、炎を振り払った。
ならばとグレイモンがその大きな口を開けて、アンドロモンを噛み砕いてやろうとしたが、グレイモンの口をがっしりと掴み、背後から飛びかかってきたガルルモンに叩きつける。
このままでは、グレイモンもガルルモンもただ体力を消耗するだけだ。
そうなれば残る道は……。
テントモンが光子郎に話しかけたのは、そんな時だった。
先程巨大乾電池の中で行っていた、プログラムの解析。
“アレ”をやってくれと言い出した。
今なら分かる。“アレ”は、進化の前兆だったのだ。
身体中が熱くなったのは、膨大なエネルギーが急激に身体に流れ込んできて、キャパシティーオーバーしてしまったのだ。
進化に必要なエネルギーは十分だったが、進化に必要な条件が不十分だったためにテントモンは進化しなかった、できなかったのである。
だが、今なら……。
光子郎はパソコンを立ち上げ、先程のプログラムを打ち込んだ。
白い機械が光りを放つ。
『テントモン、進化!!──カブテリモン!!』
青い身体に、兜のような被り物、そして4枚の翅。
蟲を彷彿させるその四肢は、大きく空に飛翔した。
すぐ傍に最年少の3人と、まだ進化できない3体のデジモンがいるせいで上手く戦えず、一方的に蹂
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ