エピローグ
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ルトは嫌悪の表情をキュウべえに示す。しかし、この無表情妖精はそれを無視しながら、歩み去る。
『ウィザード。これで君は完全にウィザードとして復活した。でも、これはまだ始まりだよ』
「始まり……」
『聖杯戦争は、基本七体の英霊による生き残り。だけど、すでにこの聖杯戦争はその反中を越えている』
「どういうことだ?」
『すでに七体以上の英霊だって僕たちは確認している。本来あるクラス……セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、バーサーカー、アサシン。このうちセイバーとアーチャーはまだ召喚されていないけどね。他のクラスも大勢召喚されている』
「何が言いたい?」
『君の味方はライダー、ランサー。そして、先ほど衛藤可奈美が召喚したサーヴァント。その三体だけだ』
「可奈美ちゃんが……?」
空間が揺らぎ始める。赤黒の空間となっていた中学校は、その主を失い、元に戻り始めている。
「おい! ハルト! ……だったっけ……?」
飛んできた声に振り向く。するとそこには、青いダウンジャケットの青年がいた。コウスケに肩を貸している彼は、なんとかこちらに歩いてきている。
「えっと……アンタは……」
初めて見る顔に、ハルトは戸惑う。だが、青年はニコニコ笑いながら、
「ああ、この姿だと初めてだったな。俺は城戸真司。ほら、龍騎……お前のサーヴァント、ライダーだ」
「ああ……」
ハルトは納得した。
その間に、キュウべえはどんどん遠くに離れていく。
「あ! キュウべえ!」
『覚えておくんだね。ウィザード』
ハルトの呼びかけに、キュウべえは足を止めた。
『君が選んだ道は簡単じゃない。戦いを止めるということは、残りのサーヴァント全てを無力化するということだよ。君にできるのかな?』
キュウべえはゆっくりこちらを見返す。
ハルトはゆっくりと、フレイムの指輪を見下ろす。
真司もコウスケも、黙ってハルトを見つめていた。
そして。
「できるよ!」
その言葉は、ハルトからではない。部屋の入口……まだギリギリ異空間のままの中学校である場所の入り口にいた、可奈美からだった。
「できるよ! 私たちなら!」
彼女も体はボロボロであった。服装もあちらこちら擦り切れており、自分だけで立つこともできていない。彼女がいるのは、支えているもう一人の少女___赤髪ポニーテールの、おそらく可奈美のサーヴァント___がいたからだ。
「止めて見せるよ! 私絶対!」
「そうだよ!」
その隣。白いガングニールの響だが、彼女もまた無傷とは言い難い。装甲の無数の箇所にヒビが走っており、響自身も無数の傷がその身にあった。
「私たちは、手をつなぐために戦う! キュウべえの思い通
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ