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提督はBarにいる。
横須賀、再び
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居なくなっていた。

「起こせよお前ら」

 見送り位はしようと考えていただけに、不満を漏らす提督。

「降りた娘達が言ったんデスよ。『提督は疲れているだろうから、そのまま寝かせておいて』って」

 という金剛の言葉にぐうの音も出なくなったのか黙り込む提督。実際、提督はかなりの激務である。ブルネイという土地柄、南方や西方方面に向かう艦隊の中継基地の役割を果たしているし、大戦力を抱えているが故の防波堤としての任務もある。起きている間は書類仕事か基地内施設の見回り、若しくは各種折衝に打ち合わせ。そして提督としての業務が終われば、明け方までBarの切り盛りと寝ている間以外はほとんど働き詰めな提督である。本人は不真面目そうな見た目と言動をしてはいるが、ワーカーホリックの沼に片足どころか全身ズブズブに浸かってしまっているのが現状だ。『体力バカだから気にすんな』とは本人の言だが、その大変さを知る艦娘達(特に嫁艦連合)からは少しでも休ませようとする所がある。

「まぁ、そういう事ならありがたく寝かせてもらうかな……」

「残念ですけど、そろそろ羽田ですよ?提督」

 そう言って瑞鳳に起こされる。やれやれ、寝ようとして出鼻を挫かれるとすげぇ残念な気分になるな。

羽田の滑走路に着陸した輸送機は、すぐさま給油車が接続して給油作業を始めている。羽田に降りたのは小笠原に向かう艦隊の娘達と俺と金剛を降ろす為だ。俺達が降りて給油が済み次第、更に北上して青森は三沢の米軍基地を目指す。そこで輸送艦隊と合流し、一路幌筵を目指す訳だ。

「ま、せいぜい凍死しねぇように頑張って来いや」

「いちいち一言多いのよこの糞提督!」

 ゲシッ、と曙が脛を蹴ってくるが……残念。俺の脛はバット3本纏めてへし折る鋼鉄の脛だぞ?蹴った方が多分痛い。実際、曙は爪先を抑えて蹲っている。

「ハハハ、まぁそんだけ減らず口が叩けるなら大丈夫だな。そっちは任せたぞ?足柄」

「まっかせなさ〜い!チャチャッと終わらせて、愛しい旦那様の下へ帰るわよ!」

 やたらと鼻息の荒い足柄。鎮守府の整備員と結婚してから長期間離れるのは初らしいが……まだ新婚気分が抜けないのか。

「くれぐれも手抜き工事はすんなよ?」

 なんて、しまらない見送りの言葉を送っていると貨物運搬用の車が此方に寄ってきた。

「か、金城大将閣下ですね!お迎えにあがりました!」

「おう、ご苦労さん。うっしお前ら、とっとと乗り込め」

 運搬車を運転してきた若い空港職員の兄ちゃんは、俺を見てガチガチに緊張している。まぁ、海軍きっての武闘派なんて噂も近頃じゃ立ってるらしいしな。俺ぁ基本平和主義者なんだがなぁ……解せぬ。




 貨物運搬車で滑走路を横断し、メインの搭乗口では
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