暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
あなたへの言葉(天羽奏誕生祭2020)
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ってみな?」

紅介は緊張でガチガチになった身体に酸素を取り込むと、奏を真っ直ぐに見つめて言った。

「これからも、応援してますッ!また、奏さんの歌が聴ける日を、楽しみに待ってますッ!」

何度も何度も練り直し、そして今朝ようやく固まったメッセージ。
2年間、推しを喪った悲しみを心の隅に抱えて生きてきた少年からの、精一杯の言葉。

それを受けた奏は──

「……ああ、ありがとな。励みにするよ」

ニカっと、チャーミングな笑顔で微笑んでみせた。

(っしゃああ、言えたってあああああああああッ!? あの笑顔はッ!?」

思わず心の叫びが口を出る紅介。
奏の表情を見て、翔が納得したように笑った。

「久しぶりに見たな。奏さんのファンサ、アネゴニックスマイル」
「なにそれ?」
「奏さんの得意なファンサの一つだ。奏さん自身の姉御力を全開にして放つあの笑顔は、射抜かれたファン全てを魅了する。あれで奏さんをお姉様呼びするファンが生まれたほどだ」
「へぇ……さすが奏さんッ!」

翔の解説に納得し、奏に尊敬の視線を送る響。
少し離れた所でクリスが何か突っ込んでいたらしいが、気にしてはいけない。

(やべぇ……祝いに来たのは俺の方なのに、特大のファンサ貰っちまったぁ! しかもプレゼントもちゃんと受け取ってもらえたし……やべぇ、俺今日はゆっくり眠れねぇよぉ……)
「そうだ! 折角だし、写真撮らないか?」
「へっ!? あっ、写真ッ!?」
「緒川さーん、カメラ頼むわ」
「ええ、構いません」
「ふあぁッ!?」

繰り出される更なるファンサ。
紅介の困惑を他所に、奏は彼の隣に立つ。

「ほら、肩の力を抜きなよ。折角の男前が台無しだぞ?」
「男前……ッ!? あああそんな俺なんかには勿体ないお言葉で……ッ!」
「いやいや、あたしは嘘は吐かないさ。その服、結構決まってるじゃないか」
「ふぐおぉぉッ!」

いちいち悶える紅介を見ながら、奏は面白そうに笑っている。
翼は苦笑しながら呟いた。

「奏……その辺にしてあげた方がいいんじゃない?」
「わりぃわりぃ。じゃ、撮るぞ〜」
「は、はいッ!」
「では撮りますね。はい、チーズ」

こうして紅介は、めでたく奏と知り合う事が出来たのであった。
ちなみに、その時の写真は紅介の部屋に、大事そうに飾られているらしい。



そして、パーティーの後……。

「奏、どうしたの?」
「いや〜、ファンからとはいえ、面と向かって花束なんて渡されたの、初めてだからさ……」
「今になって恥ずかしくなってきた、とか?」
「そ、そんなんじゃ……いや、そう、なのかもしれないね……」
「ふぅん……」

翼が、普段滅多に見られない、奏の照れている姿を目撃して
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