あなたへの言葉(天羽奏誕生祭2020)
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「奏さんの誕生日会だってぇぇぇぇえ!?」
その日、翔からの誘いを受けた俺は、思わず椅子から転げ落ちた。
いやだってよぉ、普通はまず耳を疑うだろ?
何ヶ月か前、生きてた事を発表された奏さん。俺の最推し、憧れのアイドル……。S.O.N.G.の外部協力者になったとはいえ、その存在は公表されるまで徹底して伏せられていた。だから俺も、本人と対面したことはまだ無い。
その奏さんの誕生日パーティーに招待されるなんて……思わず頬を思いっきり引っ叩いたくらいだぜ。
『ああ。予定は一週間後だ。来るなら空けておけよ?』
「あ、あったんめぇよ!絶対行くに決まってんだろ!こんな機会逃すとか、ファンの名折れだぜ!」
『声がデカいわ!』
「あっ、悪ぃ……」
流石に電話で大声は耳が痛いよな。すまん翔。
でも俺、一生お前についてくわ。今度、俺ん家の一番高いメニューをタダで奢ってやるぜ。
それにしても……推しの誕生日かぁぁぁぁぁ!
いやー、バースデーライブには行ったことあるけどさ、誕生日パーティーに参加ってのはこの先一生自慢出来るぜ!
こんなプライベートなイベントに呼ばれるなんて、マジでツいてるぜ! よっしゃラッキー!
っと、ここで一旦深呼吸してと……。一週間後か……。
当日、奏さんに失礼がないよう、色々準備してかねぇとな……。
プレゼント、何渡せばいいんだろ? 好きなものとか、インタビューに載ってたっけ……?
ff
そして、一週間後……。
「奏さん、誕生日おめでとうございますッ!」
「いや〜、こんなに沢山貰っちゃって、なんか悪いね」
奏の両手には、装者達から貰ったプレゼントがあった。
「俺達からの感謝の気持ちです。遠慮しないでください」
「そうですよ〜! わたしも翔くんも、奏さんには感謝してもしきれないんですから〜!」
「ははは……、まったく可愛い後輩達だねぇ」
そう言って奏は、翔と響の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「か……奏ッ!」
そこへ、プレゼント袋を片手に翼が翼がやって来る。
「お、翼〜どうした〜?」
「その……これ! 受け取ってくれるかな……?」
「ん? こいつは……開けてもいいか?」
「うん。きっと喜んでくれると思う」
奏は首を傾げながら、袋から箱を取り出し開封する。
ちょうどその時、奏の左耳に付けられたイヤリングを見て、翼は思わず微笑んでいた。
「服?」
「奏もそろそろ、新しい服が必要でしょ?似合いそうなのを選んでみたの。元々奏が持ってた服は、殆ど処分されちゃったから……」
「翼……ありがとな。明日から早速着ることにするよ」
「うん……そうしてくれると、嬉しいな」
微笑み合う2人。
その様子を見守っていた翔だったが
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