第十三章〜片倉の鬼子〜
第六十七話
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顔をしておっちゃんから目を逸らした。
おっちゃんはそれを見て、再び溜息を吐くと六爪をきちんと全部確認して鞘に納めている。
「それじゃ、こいつは七日ほどお預かりしますよ。……で、黒龍の調子はどうだい」
おっちゃんに言われて小十郎が黒龍を差し出す。黒龍も確認して、おっちゃんが小さく溜息を吐いた。
「……まぁ、状態は前持って来た時よりかは幾分かマシってところか。
だが、一遍火を入れなおした方が良さそうだな。こいつも預かるが良いかい?」
「ああ。……あと、これも手入れをしてもらいたいんだが」
そんなことを言って小十郎がずっと背負っていた包みを開く。
そこには明智に奪われていたはずの私の愛刀、“白龍”があった。
「え、それ何処にあったの!?」
「明智の城をくまなく探して見つけたのです。
一度手入れをしてから御返ししようと思っていたのですが、あの状況で伝えることをすっかりと忘れておりまして」
もう絶対に出てこないと思ってた白龍、実はこれって小十郎の黒龍とお揃いの兄弟刀って奴で、黒龍の対になってるわけなのよね。
政宗様と輝宗様から賜ったものだってのもあって、愛着も強くて無くしたことを実は密かに悲しんでたんだ。
だって、小十郎とお揃いなのよ? お揃い。それ失くしたら悲しくなるじゃないの。
「……おいおい、嬢ちゃん刀失くしたのか?」
「いやぁ〜……変態にとっ捕まっちゃってさぁ……」
簡単に事情を説明してやれば、やっぱりおっちゃんは呆れたように溜息を吐いた。
政宗様は、あの野郎八つ裂きにしてやれば良かった、なんて言ってるけどね。
「あ、それから、コレなんだけど」
私は自分の腰に差していた刀をおっちゃんに見せる。
刀身を抜いて見せたところで政宗様がはっきりと眉を顰めたのを私は見逃さなかった。
やっぱり分かる人には分かるんだ、この刀の異様さが。
「貰い物なんだけど、銘が分からなくてね。おっちゃんなら分かるかなって思って」
おっちゃんは私から刀を受け取ってじっと確かめた後、誰の目にも分かるくらいにはっきりと眉を顰めていた。
「……嬢ちゃん、これは何処で手に入れた」
「訳合って、豊臣の元軍師、竹中半兵衛から貰ったの。家の蔵に放置されてた刀を持って来た、なんて言ってたけど」
私の後ろで二人が眉を顰めていたのは知っていたけど、この際それは置いといて、おっちゃんが口を開くのを待つ。
「こいつは妖刀村正……聞いたことがあんだろ?
握れば無性に人が切りたくなる魔性の刀の話くらいはよ。嬢ちゃんが持ってんのはそういう刀だ」
なんてこったい。まさか竹中さんから貰ったのがそんな刀だったとは。
つか、何でそんな危ない刀渡したん
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