第二章
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「そうしような」
「ワン?」
「お前いつも空見上げてるけれどな」
良は花火と聞いてもわからないという感じのソラにさらに言った。
「今夜は特別だから」
「くゥ〜〜ン」
ソラはわからない、だがだった。
一家で花火に行ってシートを敷いてその上に腰掛けてだった。
花火大会の客の為に出されている出店達から色々な飲みものや食べものを買ってそれを楽しんでいるとだった。
花火が次々とあがりだした、父は缶ビールを飲みつつ言った。
「やっぱり夏はな」
「花火よね」
母も缶ビールを飲みつつ言う、二人共花火を見上げている。
「こうしてビール飲みながら見るのがね」
「醍醐味だな」
「そう、だからね」
「今からな」
「皆で楽しみましょう」
「そうしような」
「そうだね、しかしね」
ここでだ、良は。
自分の隣にいるソラを見た、その彼はというと。
花火が上がるのをじっと見ていた、それはまさに凝視だった。
上がると音にびくっ、となりつつもその大輪達を見て目を輝かせる。そのソラを見て彼は言ったのだった。
「ソラずっと花火見てるね」
「ああ、注目してるな」
「花火にね」
「もう目を離すことなくな」
「そうしてるわね」
「うん、ただね」
ソラはここでこう言った。
「確か犬って色わからないよね」
「そうだぞ、犬は色彩感覚がないんだ」
父が息子に話した。
「実はな」
「そうだったよね」
「哺乳類で色がわかるのは犬と猿だけなんだ」
息子にこうも話した。
「だからな」
「ソラはだね」
「皆と一緒に花火を見ていてもな」
今の様にそうしていてもというのだ。
「それでもな」
「色はわからないから」
「白黒なんだ」
花火もというのだ。
「そうなんだ」
「そうなんだね」
「だから花火の色はわからないんだ」
「それじゃあお空の色もよね」
母も言ってきた。
「青空とか夕焼けの赤とかね」
「わからないよね」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「ソラはいつもお空見ていても」
「僕達とは違うお空をだね」
「同じお空でもね」
「色がないんだね」
「そうよ」
「白黒なんだね」
良はあらためてわかった。
「そうなんだね」
「そうなるわね」
「お空はいつも、けれど」
色がないならとだ、良は首を傾げさせてこうも言った。
「ソラは白黒の空見上げていていいのかな」
「ソラとしてはいいんじゃないか?」
父は今も花火を凝視しているソラを見つつ息子に答えた。
「だからな」
「今も見ているんだ」
「花火だってな」
「白黒だと思い六ないんじゃ」
カラフルなその花火を見つつ言う。
「本当に」
「それは人が思うことだろ」
「人がなんだ」
「色が見える
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