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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第95話
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デ先輩がその気になれば、フェルディナント先輩やローレンツ先輩のように今頃”准将”―――いえ”少将”に昇進していたでしょうに、その昇進を嫌がって”本気”を出さないとか、フォルデ先輩のそういう所は相変わらず理解できませんよ……」

「その件については俺も前から気になっていましたが……何か理由でもあるのですか?」

我に返ったリシテアはジト目でフォルデを見つめ、ディミトリは困った表情で指摘し、フェルディナント、ローレンツ、イングリットそれぞれ呆れた表情で呟き、ドゥドゥーは静かな表情でフォルデに訊ねた。



「いや〜、昇進すればするほど責任もそうだが仕事も増えるだろう?フランツも自立してくれた事でフランツの世話をする必要もなくなったから、給料はいいメンフィル軍で金を貯めて将来はリィンの親父さんみたいに、辺境に住んで”世捨て人”みたいな生活をして毎日ダラダラしながら趣味である絵を描く事を”理想”としている俺としてはそんな面倒な事、ゴメンなんだよ。」

「察してはいたことけど、案の定聞かない方がよかったような答えね……」

「というか何でそこで俺の父さんを例えに出すんですか……第一父さんもさすがに”世捨て人”と呼ばれる程、”外”の人達との交流を頑なに断っている訳じゃありませんよ。」

「こんなナマケモノが今では廃れた”槍のヴァンダール”の”伝承者”だなんて、”世も末”とはまさにこの事を指すのでしょうね。」

「ア、アハハ……それで、敵を惹きつける”主力”はともかくとして、(かなめ)となる精鋭部隊がそれぞれ担当する拠点もそうですが、二つに分ける事になるリィン隊のメンバー編成については既に決まっているのですか?」

ドゥドゥーの質問に対して答えたフォルデの答えに再び仲間達と共に冷や汗をかいて脱力したエーデルガルトは呆れた表情で溜息を吐き、リィンは疲れた表情で呟き、ジト目でフォルデを見つめて呟いたデュバリィの言葉を聞いたプリネは苦笑した後気を取り直して訊ねた。



「はい。少なくても俺が率いる部隊にはエリゼとエリスをメンバーに入れて、ノルド方面の拠点を襲撃する事を考えています。」

「?何故リィンさんが率いる部隊にエリゼさんとエリスさんを入れるもそうですが、ノルド方面を担当する事を決めているのでしょうか?」

「クスクス、それは”野暮”ってものよツーヤ♪”シスコン”のリィンお兄さんが二人を自分の部隊に入れる事は”決定事項”なんて、ここにいるみんなはわざわざ説明を聞かなくても”察している事”じゃない♪」

リィンの説明を聞いてある事が気になったツーヤの質問に対してからかいの表情を浮かべて答えたレンの答えにその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「いや、レン皇女殿下は予め俺の”考え”を聞いているのに
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