第16話 千堂のパーフェクトしょっかー教室
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の国…ガモン共和国のあった地域は2人を軍神と崇めてるそうだ」
千堂の目はどこか明後日の方向を向いていた。彼の目には革命達成で歓喜に湧く"旧ガモン共和国"の民衆達が映っていた。
「そして彼らの功績を知り、『優秀』と判断なされた大首領様は創設してまだ間もないショッカーの技術力を使い、2人を蘇生させて大幹部の地位をお与えになった」
戦の神の使徒であるロウリィは曲がりなりにも戦死者である地獄大使と暗闇大使を蘇生させたことに複雑そうな表情をしていたが残りの2人はえらく関心している様子だった。
「そして地獄大使、暗闇大使となった彼らは幼い頃の自分達や某国の民衆達を苦しめた世界中に蔓延る権力社会を打倒すべく立ち上がったというわけだ。彼らの卓越した指揮もあってショッカーの進める世界統一事業や不穏分子との戦闘では多くの成功や勝利を収めたというから驚きだな」
それから千堂は少し身振り手振りを加えて少し、芝居がかった感じで話しのラストパートを語った。
「そして世界統一後、ショッカーの世界統一宣言式典で大幹部達にそれまでの功績を讃えられて称号が贈られたんだが…。地獄大使・暗闇大使の2人には『どんな逆境にも挫けない誠実な忠臣』の称号が贈られた。……そして2人はかつてのスラム出身の少年としてではなく……腐敗した世界から人々を解放した英雄として世界から崇められるようになったのだった」
千堂がふと、レレイ達の方に向き直るとロウリィを除いて彼女達は俯いた状態で肩を震わせていた。
途端に千堂は不安になってしまった。自分の説明が分かりづらかったのだろうか。
「どうした?説明が教科書的過ぎて分かりにくかったかな?」
よく見るとレレイは少しだけ苦い物を噛んだような神妙な顔をしており、テュカに至っては感極まって涙を流していたのである。
静かな語り口で話された大幹部の知られざる過去は彼女らのショッカーに対するイメージを爆上げしていた。
尤も千堂からすればこの世界の一般常識を語ったに過ぎないのだが…。
「分かりにくくなんてない!彼らの偉業がなぞるように分かった!」
「あっちの白い服と黒マントのおじいさんは!?どんな人なの!?」
テュカは別の肖像画を指差して、少し興奮気味に千堂に尋ねる。余程、地獄大使の説明が面白かったらしく、他の人物についても聞きたいのだろう。
千堂はその肖像画に描かれている人物をジッと見つめて話し始めた。
「その御方は『肉親を守る為に戦った悲劇の賢者』。イワン・タワノビッチ様、公式の敬称は『死神博士』。旧日本国の首都 東京に生まれ、病弱な妹を救うためにはどんな努力も惜しまなかったとか…」
妹を救う為に戦った賢者か……。先程の地獄大使や暗闇大使
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