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GATE ショッカー 彼の地にて、斯く戦えり
第16話 千堂のパーフェクトしょっかー教室
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は互いを除いていなかった。
だから2人は……どんなに辛い時でも従兄弟同士で、唯一の肉親として一緒に力を合わせて生きていこうと決意したそうだ」


帝国にも帝都に"悪所"と呼ばれる貧民街があるため、幾分か想像しやすかった。
幼い2人の少年が手を取り合って懸命に貧民街で生きる様を思い浮かべると異世界から来た3人はなんとも言えない哀しい気持ちになった。想像以上に過酷な暮らしをしていたのだろう。
気づけば3人は千堂の話に引き込まれていた。


「更に彼らは貧しいながらも独学で勉学に励んでいた。特にダモン様は現在でも毒蛇の研究に関しては並の学者じゃ太刀打ちできない程の博識らしい」


勉学にも秀でていたのか……。レレイの脳裏には明日を生きられるかも知れない貧しい環境にも関わらず涙ぐましい努力で勉学に打ちこむ少年達の姿が浮かんだ。だが千堂はまだ続けて話そうとした。どうやらそれ以外にも凄い逸話があるらしい。


3人の視線が一気に千堂に集まる。


「それから数年後、彼らは大人になると故郷を捨てて某国に渡った。その国はとんでもない圧政を敷いてて、民衆はいつも苦しめられていた。それを見かねたダモン様はガモン様と共に革命を成すべく解放軍に参加したんだ。そして2人は解放軍の中で将軍にまでに成り上がったそうだな。
……人から差別され、苦しみ続けた彼らだからこそ他人の苦しみに人一倍敏感だったのかもな」


貧民街出身の少年達が正義に燃えて民衆を助けるために革命を起こすべく将軍にまで成り上がるなんて。テュカが感嘆の声を漏らした。彼女だけではない。ロウリィやレレイも地獄大使とその従兄弟…暗闇大使のサクセスストーリーに興奮しているようにも見えた。


「また、彼らはめちゃくちゃ強かったらしくて敵からは『力の悪魔』、『知恵の悪魔』と呼ばれていたらしい」


なるほど、地獄大使や暗闇大使と呼ばれる所以はきっとそこにあるのだろう。レレイはそう思った。


「…でもそんな彼らにも終わりの時がやってきたんだ。ある日、いつものように民衆の為に前線で戦闘の指揮を取っていると密かに敵側に寝返っていた側近の裏切りにあって二人共、亡くなってしまったんだ」


「「「え!?!?」」」


いきなり話の主人公であるダモンとガモンが死んでしまい、テュカとレレイは唖然と目を丸くする。これからどうなるのか想像もできなかった。
また、ロウリィの方は恐らく最も信頼していたであろう側近に殺された彼らの心情を推し量っていた。

最期に2人は何を思って亡くなったのだろうかと。



「2人の死後、その崇高で気高い精神は解放軍の全将兵に受け継がれ、破竹の勢いで首都に向けて進軍し、圧政を敷いていた独裁者を打倒することに成功した。ちなみに今でもそ
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