第11話 緊張の商談
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張がはっきりした派閥だ。帝国の打倒のために軍備拡張政策を押している。そして亡命者に関しては自由惑星同盟に暮らす以上、疑似的なものとはいえ階級社会も認めないし、財産の持ち込みに関しても一定額上はかなり高い税金を課すべきだと主張している。
一方で融和派は、自分たちの政体の有り様をどんな形にするか?は地域住民が決めればよいと考え、さすがに独裁制は許さないが、疑似的な貴族制も議論の上で意思決定するなら受容すべきと判断している。財産の持ち込みに関しても、最終的に同盟の国力増強につながると判断して、基本的には非課税だ。
「原理派はブルー、融和派はグリーンで色分けしてございます。補足ながらエンブレム号は融和派の資本に属しています。次に亡命派です。亡命派もある意味同様に、原理派と融和派に分かれております。フェザーンの設立による経済的な打撃と、マンフレート2世陛下の暗殺を機に、バーラト系が高貴な血を使い潰したという疑惑が浮上いたしました。8割程度が原理派でバーラト系とはある意味冷戦状態です」
原理派は文字通り疑似的な貴族制を維持しつつ、防衛戦争にも最低限の協力で済まそうという主張だ。都合が良すぎる様にも思えるが、亡命者が大量流入した際に、バーラト系の原理派が財産の没収や徴兵名簿に不当に亡命者を入れようとした背景もあり、自衛せざるを得ないという所か?
亡命系融和派は俺の知り合いならジャスパーが当てはまる。貴族制を布いているとはいえ、生活の中で同盟の情報に触れる機会も多い。雁字搦めの亡命系社会に閉塞感を感じ、積極的にバーラト系に協力してしっかりとした立場を得ようという主張だ。嗜好品の多くは売れなければ意味がない。そういう意味でも実際に生産や流通にかかわる層も、上層部の気持ちは分かるが現実をみてくれってところだろうか。
「ふむ。候補となるのはバーラト系・亡命系の融和派になりそうだな。バーラト系の原理派はそもそも候補から外れるし、亡命系の原理派に与してもウーラント家は所詮は帝国騎士。何かと資本提供を迫られるのがおちだろう」
「はい。私も亡命系の中心、シロンに滞在しましたが、良くも悪くもキッチリした階級社会でした。失礼ながら帝国騎士と言う階級で、新参ともなれば何かと財産をむしり取られはしても厚遇されるかは疑問でございます」
「ターナーの申す通りであろうな」
ウーラント卿も色々と想定されていたのだろう。予想の一つではあったが、当たってほしくない予測だった印象だ。少し悲しげな表情をされている。
「残念ながら亡命系融和派はそこまで力を持っておりません。その観点から見ても、バーラト系の融和派をお選びになるのがよろしいかと愚考します」
もう少し理解が遅かったり迷うようなら言うつもりはなかった。ただ、帝国騎士のウーラント家がちゃんと同盟に
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