第六十五話
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「これをもって、さいかしゅうのもとへとむかいなさい」
「雑賀衆?」
「さいかしゅうは、さいごくのようへいしゅうだんであり、じょうほうしゅうしゅうにもたけています。
まおうのふっかつにからんださいごくのじょうきょうをしらせてほしいのと、
いざというときのせんりょくになるようにふみにしたためてあります」
なるほど、雑賀衆に協力を仰ぐわけね。なるほどなるほど。
「それに、さいかしゅうはおだとはあさからぬいんねんがあります。
きっと、こたびのけんにきょうりょくしてくれることでしょう」
浅からぬ因縁ねぇ……何か気になるところだけど、まぁ、協力してくれるってんならそれに越したことはないかな。
「あ、慶次。雑賀衆に行くんなら、アニキと鶴姫ちゃんがどうなったのか知りたいって言ってたって伝えておいて」
「分かった……って、何、元親に女が出来たの?」
「違う違う、アニキが惚れた女を必死に口説き落とそうとしてんの。
アニキも不器用だからさぁ〜、恋の行方が気になっちゃって気になっちゃって」
軽く事情を説明してあげれば、慶次が必ず伝えておくと言ってにやりと笑ってくれた。
頼むわよ、と私もにやりと笑うと、緊張感がないとかすがに呆れられてしまった。
「これからどうしますか、りゅうのみぎめよ」
「一旦帰ります。流石に今回はあんまり長く離れてるわけにもいかないし、
何よりお市を連れてふらふら歩くわけにもいかないですからね。奥州も今どうなってるのか気になりますし」
「……奥州なら、上田城に向かっているという情報を得ている。今から向かえば合流出来るのではないか?」
おおっと、もうそこまで話が進んでたか。まだ序盤だと思ってたけど結構話が進んでたのね。
なら、とりあえずは甲斐に向か……あんまり向かいたくないなぁ……幸村君と顔合わせ辛いし。
けどまぁ……仕方が無いか。
「おだのざんとうは、こちらでてをうちましょう。なにかわかれば、そちらにもつたえましょう」
軍神にお願いをして、立花さんにもいろいろとお礼を言って京を出る事にした。
一泊くらいして帰ろうかとも思ったけど、甲斐に攻めるっていうのなら悠長に寝てる場合じゃない。
不満そうな四人を引っ張って、お市を私の馬に乗せて甲斐へ向けて走っていく。
うーん……何だか中途半端なまま調査を打ち切っちゃったけど、奥州でも黒脛巾組に調べさせた方がいいかもしれないな。
これ以上は忍の方が上手くやってくれそうな気もするしね。
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