第六十四話
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待機していた小隊は」
冷静に立花さんがそんなことを言うもんだから、私達は揃ってはっとしてしまった。
考えてもみればあの五人が捕まっているってのに、残りのメンバーが無事だってことは有り得ない。
となれば、考えられるのは……。
「俺、様子を見てくる」
素早く慶次が去っていったのを見送り、再び様子を伺う。
どうにも連中、更に生贄をとあの馬鹿共を捕まえてきたっぽい。だって、生贄にーとか言ってるんだもん。
……これは悠長に援軍を、何て言ってる場合じゃないかも。
「……立花さん、失礼ですけど戦えますか?
援軍を頼っている場合じゃないので、あの五人を助けてとっとと京に逃げましょう」
「分かりました。では、連中を引き付ける役目はお任せを」
そう言うや否や、立花さんは背負っていたチェーンソーもとい雷切を構えて敵に向かって突っ込んでいく。
大丈夫なのかとヒヤヒヤしながら様子を伺っていたけど、慣れたように立ち振る舞う立花さんは強い!
本当、私ったら失礼なこと聞いちゃったよ。後でちゃんと謝らなきゃ。
「にっ……西の宗茂だー!!」
おぉ? 立花さんって結構有名な人だった? もしかして。
つか、突然の立花さんの襲撃にパニックになってるうちに五人を助けないと。
私はなるべく見つからないようにと迂回して、素早く五人の下へと駆け寄った。
縛り上げられていた五人の縄を切ると、安心した顔をして涙目で私に寄ってくる。
っていうか、むさいから寄るなお前ら。
「……四人は半年減給プラス伊達屋敷の便所掃除担当ね」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ!」
「そこの無敵馬鹿は軍神に報告して然るべき処置をしてもらうから覚悟しておいて」
「そ、それだけはご勘弁を!!」
知るか馬鹿共、あっさり捕まりやがって。つか、無敵とか言うんなら生贄になるなっての。
とりあえず五人には逃げるようにと、安全な道を示して走るように指示を出す。
私も逃げるために立花さんと合流しようとしたところで、突然誰かに足を掴まれた。
敵か、と足元を見れば私の足首を掴んでいたのは例の黒い手。
「ひゃああああああ!!!!」
うっかり上げてしまった馬鹿でかい悲鳴に、五人はもとより織田の連中までこっちを見た。
生贄が逃げるぞ、なんて気付かれてしまったけれども私にそんなことを気にする余裕は無い。
「か、景継様!?」
だって、真っ黒い手が自分の足掴んでたら悲鳴上げるでしょ!?
しかも地面から手だけが湧き出てるとか、もう叫ぶしかないじゃない。どんなホラーよ、って話だし。
刀を振るってその手を切ろうとするけどすり抜けてしまって切れないし、試しに重力の力で押し潰そうとす
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