第六十三話
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を言わなきゃ良かったんだけど、そんだけ怒るってことは図星なんじゃないの、
って言ったらあの子極殺入って刀向けてきたからね。そういうのは嫌みたい。
「ちょ、小夜さん! そんなこと謙信やらないよ!」
さらりと言ってやったら慌てて慶次が否定してきたけど、私の勢いは止まりません。
「え〜……っていうか、軍神ってそもそも性別どっちなのよ。男だか女だかはっきりしないし……慶次、知らない?」
知ってるわけ無いか、なんて思って聞いたんだけども慶次はかなり気まずそうな顔をして目を私から逸らしている。
「……知ってるけど禁句だから言えない」
禁句って何のこっちゃ。つか、どうしてそんな禁句な話を慶次が知ってるわけ。
「もしかして、押し倒したりとか」
「してない!! 一緒に風呂に入ったから知ってるんだよ!!」
風呂、その言葉に上杉の小隊がどよめいた。しまったとばかりに慶次が口を塞ぐが、すでに後の祭り。
一体どういうことなのかと、自称無敵こと直江兼続を始めとした小隊が詰め寄っている。
「……いや、ほら、上杉に温泉があるだろ? そこに入ろうって誘われて……」
「食べられた?」
「食われてない!! ただ二人で酒を飲みながら話をしただけだよ!!」
ほへ〜、どういう理由でかは知らないけど性別不明のそんな人と風呂に入れるだなんて、慶次って結構侮れないわね……。
というか、それってお誘いを受けたと解釈して良いのか、それとも男として魅力を全く感じてないのか、一体どっちなのか。
まぁ、どちらにせよ軍神が女だった場合、慶次がチャンスを逃したのは確かだからこの際何も言うまい。
言ってやると可哀想になるし。
しかし温泉か〜……いいなぁ、温泉入りたいなぁ〜……。
ここ最近、風呂なんて入ってないし、身体洗うって言ったら専ら川だったから、いい加減しっかりお風呂に入りたいよ。
「温泉と言えば、景継様もよく入ってましたよね。小十郎様連れて」
何気なく言った良直の言葉に、今度は慶次が詰め寄ってくる。
「ちょ、どういうこと!? 竜の右目と二人で素っ裸で風呂入ったの!?」
ちょっと待て、どうしてそれで慶次が詰め寄ってくるんだっての。大体何を考えてるんだね、君は。
「……あのさ、小十郎の身体見て欲情するわけないでしょ。向こうだってこっちの裸見たって全然意識してなかったし」
考えてみれば、惚れてるってんならそんな相手と一緒に風呂に入って欲情しないわけがない。
まぁ、私の身体見ても堂々と全部見せんなって顔はしてたけどもさ、欲情してるとか一切無かったし。
はっきり言って恋する男の目ではなかったわよねぇ……今になって冷静に思い返してみれば。
だから告
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