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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第42話:三流と一流の違い
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はそのまま落下するかと思われたが彼女の手にはまだライドスクレイパーがあった。足場となっていたアームドギアが消えた瞬間、メデューサはライドスクレイパーに跨り奏に急接近しすれ違いざまに彼女を蹴り落した。
「ぐっ?!」
「ふふっ!」
蹴り落されたと言っても、落下するまでにはまだ時間がかかる。決して長いとは言えない滞空時間の間、メデューサは空中を縦横無尽に飛び回りながら蹴りやスクラッチネイルでの攻撃によるヒット&アウェイで奏を攻め続けた。
「ぐぅっ!? がぁっ!?」
空中で散々攻撃され、着地の体勢を取る余裕を失った奏。このままだと地面に激突してしまう。
〈バインド、プリーズ〉
そんな奏の窮地を颯人が救った。彼は奏の窮地に気付くとヒュドラから距離を取り、彼女が地面に激突する寸前に魔法の鎖で彼女の体を受け止めてみせたのだ。
「大丈夫か、奏?」
「あ、あぁ、何とか。そう言う颯人こそ……」
「これくらいどうって事ねぇよ」
一旦合流し、互いの状態を確かめ合う2人。口では強がるが、今回の戦いの流れは相手側に傾いているのか少々分が悪いのが分かっていた。
傷だらけで合流した2人を挟むようにヒュドラとメデューサが近付いてくる。流れが自分達に傾いている間に決着を付けようと考えているのだろう。
──そうは問屋が卸さねぇよ──
颯人と奏は互いに顔を見合わせ、無言で頷き合うと背中合わせになってヒュドラ・メデューサと対峙した。未だ戦意を滾らせる2人に、ここで仕留めてやると言わんばかりに襲い掛かるヒュドラ達。
その瞬間を待っていた。この2人が自分達に同時に向かってくるのを、颯人と奏は期待していたのだ。
「奏!」
「あぁ!」
颯人が声を掛けると同時に姿勢を低くすると、奏は彼を踏み台にして高く跳び上がった。
思わぬ行動に揃って彼女を目線で追ってしまうヒュドラとメデューサ。
〈ビッグ、プリーズ〉
幹部2人の視線が奏に向いている隙に颯人はビッグ・ウィザードリングを使用し右手を巨大化させるとヒュドラを掴んでメデューサに向けて投げつけた。
「そぅれい!」
「何ッ、うぉっ!?」
「何だッ!?」
ヒュドラを投げつけられ、堪らず動きを止めたメデューサ。そこに奏の追撃が降り注いだ。
「こいつでッ!!」
[SUPERGIANT∞FLARE]
アームドギアから生み出した太陽と見紛うほどの火球。そこに奏が上からメデューサ達に向けてアームドギアを突き立てると、アームドギアに押し出されるように火球から熱線がメデューサ達に向け放たれる。本来は決して効果範囲の広くない技であるが、相手が一か所に固まってくれているなら話は別だった。
颯人の前で、熱線に包まれる幹部2人
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