暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第42話:三流と一流の違い
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!」

 前座を終え、真打の対幹部戦。颯人・奏ペアがジェネシスの幹部2人と激しくぶつかり合う。

 それをBGMにし、クリスは透を引き摺ってその場を離れていく。このままだとあの戦いの余波で透が傷付くかもしれない。彼を治療する意味でも、今はこの場を離れなくてはと言う一心で動いていた。

「はぁ……はぁ……大丈夫だぞ、透。アタシが絶対、助けるから──!」

 透と共にその場を逃げるクリスだったが、その前に立ち塞がる人影があった。

「ッ!? て、テメェは──!?」

 クリスの前に立ち塞がったのはウィズだった。彼は木陰から姿を現しクリスの前姿を現すと、ゆっくりと2人に近付いていく。
 当然、それを黙って見ているクリスではない。

「透はやらせねぇ!!」

 透をその場に下ろし、イチイバルを纏おうとするクリス。しかし彼女が聖詠を口にしようとした瞬間、一瞬で距離を詰めたウィズの拳がクリスの鳩尾に突き刺さった。

「がっ?!」

 吐き気と息苦しさ、そして痛みと共に視界が黒く染まっていき、意識が遠のく。完全に意識を失う寸前、彼女の視界に映っていたのは目を覚ましこちらを見る透の顔だった。

「ちく……しょ…………とお、る……に、げ…………」

 途中まで言いかけたところで、完全に意識を失い倒れるクリス。ウィズがその様子に小さく溜め息を吐きつつ一歩前に踏み出すと、今度は透が起き上がりクリスを抱き上げるとウィズに背を向けその場にしゃがみ込んだ。
 彼の行動にウィズは今度こそ大きく溜め息を吐いた。透の考えは分かっている。自分の命と引き換えに、クリスを守ろうとしているのだ。もう今の彼にはウィズから逃げるだけの体力はない。ならばせめて、クリスだけでも守ろうと言うのだろう。

「…………ハァ」

 揃いも揃って健気と言うか向こう見ずな2人に、ウィズは再び大きく溜め息を吐くのだった。




***




 その頃颯人・奏ペアとジェネシスの幹部2人による戦いは先程以上に激しさを増していた。

「そこだ!!」
「おっと?!」

 一瞬の隙を突いて引き金を引いた颯人の銃撃を、ヒュドラは剣の腹で受け止める。ならばと颯人は銃弾を操り相手の死角を突こうとするが、ヒュドラも彼がそうすることは読んでいたのか銃弾の軌道が動いたのを見た瞬間手にしていた剣を投擲してきた。

「いっ!?」

 自身に向けて投擲された剣を見て、颯人の集中が乱れる。
 言うまでもないが銃弾一つ一つの操作と言うものはかなりの集中力を必要とする為、途中で余計な思考が入ると操作が狂って銃弾が明後日の方向に飛んで行ってしまう。

 飛んでくる剣を前にして、颯人は脳裏で銃弾の操作を上書きする形で剣を回避する算段を一瞬思案してしまっ
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