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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第42話:三流と一流の違い
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を…………殺せ」
「は!? 何言ってんだ、そんな事する訳……えっ!?」
当然拒否しようとしたクリスだったが、その気持ちに反して体は勝手に動き、あろう事か透が落としたカリヴァイオリンの片方を手に取り2人のメイジに押え付けられた透の傍に立ってしまった。更にはカリヴァイオリンを両手で持ち、透の首を狙う形で構える始末。
事ここに至り、クリスはメデューサが本気で自分に透を殺させようとしている事に気付いた。
「や、止めろッ!? 何で、こんな──!?」
「今やお前の体は私の操り人形。何をさせるのも私の自由だ」
無論、メデューサが使用した魔法、コントロール・ウィザードリングなら意識すらも完全に支配下に置いて操る事は可能だがメデューサはそれをしなかった。理由は単純で、裏切り者の透に与していた事に対する報いである。
「さぁ、己の愛する者を己の手で殺せ!」
そのメデューサの命令に従い、クリスの体は動いて両手で持った剣を振り上げる。これにはクリスも慌てた。
「い、嫌だ!? 嫌だぁッ!? 頼む、お願いだ!? 止めろ……止めてくれ!?」
「フフフ……」
「はは、こいつは良いショーじゃねえか!」
「お願いだ!? 何でもする! だからこれは、これだけはっ!?」
クリスの必死の懇願は、幹部2人の嘲笑にかき消される。
そして遂に、あとは振り下ろすだけと言うところまで来てしまった。
「あ、あぁ……嫌だ…………嫌だ」
「さぁ…………やれ」
メデューサの合図と共にクリスが剣を透の首に向けて振り下ろす。
その瞬間、クリスの口からは喉が張り裂けんばかりの絶叫が響いた。
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
両目から大粒の涙を流し、血を吐かんばかりの叫びを上げるもその剣は無情にも透の首に向け振り下ろされていく。
その瞬間、クリスの目には全ての出来事がスローモーションに見えていた。自らが振り下ろす刃がゆっくりと透の首に迫っていく。クリスはそれを認識しながらも何もする事が出来ず──────
──────────突然その剣が何かに弾かれ、それと同時に目の前の景色の速度が元に戻った。
「わっ!?」
剣が弾かれた瞬間、メデューサの意識が逸れたからかクリスの体に自由が戻った。突然戻った感覚に頭がついて行かず、まるで帰還したばかりの宇宙飛行士の様にその場に崩れ落ちるクリス。
「ぐっ?!」
「がっ?!」
「ッ!? 何ッ!?」
その間に透を拘束しているメイジ2人も銃撃により彼から引き離された。
「う、つつつ──!? あっ、透!?」
崩れ落ちたクリスだったが、直ぐに起き上がると拘束を外された透の生存を確認する。毒により呼吸は浅くなっているが、
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