二人の天才
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その技を見ても、ティオスと天海はまるで焦りがない。
「彼らが5分間耐え抜くか、殺され希望を失うか、見物かな」
「そんな細かいことはどうでもいい。今のこいつらなら、十分に楽しませてくれそうだ」
目的が違うゆえに感じ方もそれぞれ。しかし、強くなっていることはよくわかっていた。それだけに、二人の殺気も大きく上がっている、
「しかしよぉ、お前と会ってから、俺ぁ危険な目にばっかりあってる気がすんなぁ」
「それはこっちのセリフだ、バカヤロウ」
そう言った彼らの表情は緩んでいた。これから命懸けの戦いに挑むものたちとは思えないほどに。
「んじゃ、行くか!!」
「おう!!」
今から11年前・・・第三者side
酒場にて酒を煽っている金髪の男。ただ静かに飲んでいるだけなのに、彼の周りには空席が目立っており、まさしく他を寄せつけぬオーラを放っていた。
カランカランッ
店の扉が開き中へと一人の男が入ってくる。彼を見た瞬間、大にぎわいだった店内が静まり返った。
「おい・・・あいつって・・・」
「だよな?」
「マスター!!お勘定してくれ!!」
続々と店を後にして行く客たち。それを気にすることなく、深紅の長い髪をした少年は金髪の男の隣へと腰かける。
「おめぇが妖精の尻尾のラクサス・ドレアーか?」
「なんだ?テメぇは」
急に話しかけられたことで怒りの表情を浮かべるラクサス。その手短な言葉を肯定と受け取った深紅の男は、ニヤリと笑った。
「せっかくお気に入りの店だったのに・・・」
「今回はあの大男がターゲットか」
店から出る直前の客の声。それはその深紅の男を知るからこその言葉だった。
「魔導士狩りのカミューニ・・・あいつに勝てた奴は見たことがない」
故郷を失い、ハデスへの雪辱を誓ったカミューニ。対するはマカロフの孫として正当な評価を得られずにいると反抗期に入っているラクサス。両者ともに力を追い求めていた時に、彼らは出会った。
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