二人の天才
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そこに高位付加術士と呼ばれる魔法を使うアイリーンさんも加わり全員の魔法をより速度を上げて体内に宿していく。
「全員の力を合わせれば・・・」
「うん。でも、一つ問題があるね」
リオンさんとレオンが俺たちから目の前の敵二人へと視線を向ける。彼らは前線で無防備な姿になっている俺たちを冷ややかな目で見ていた。
「いくら余裕がないからって、敵の目の前でこんなに堂々とやるかね、普通」
「俺は強い奴と戦えるならなんでもいいぞ」
髪をかき上げ戦闘モード全開のティオスと、不敵な笑みを浮かべている天海。彼らを見たレオンは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「こいつらがそれまで待ってくれるわけがないってことだ」
目の前に力をつける前の相手がいるなら、それを排除するのが勝負の鉄則。特にティオスはその辺のことをよくわかっているはずだ。
「どのくらいかかる?シェリア、ウェンディ」
「二人ともケガがすごいから5分はほしい!!」
「全員の魔力を付加しますから、私たちもそれくらいほしいです」
5分か、と呟いたリオンさん。全員の魔力を一気に俺たちに付加することはできない。少しずつの人数をやるしかないのだが、この二人相手では恐らくほとんど全員の力を借りないと勝てない。ましてやケガが多い今の状況も回復させるとなると、それでも足りないくらいだ。
「5分も待つわけないじゃないか。ねぇ、天海」
「俺は別に待ってもいいぞ。ただ、そいつらがお前並の力を手にいれてくれるのならな」
ティオスも天海も俺たちのパワーアップを待つつもりはない様子。かといって今俺たちが動き出しても全く意味はない。まだほとんどの皆さんの魔力を宿し切れてないのだから。
「さて・・・それじゃあ・・・?」
攻めてこようとしたティオスが動きを止める。その理由は俺たちの前に二人の男が立ち塞がったからだ。
「カミューニ!!」
「ラクサス!!」
前に立ったのは深紅の髪の青年と金髪の大男。彼らは俺たち魔導士の前に立つと、最強の二人を見据える。
「5分で大丈夫なんだな?」
「それなら俺たちが稼いでやんよぉ」
二人の顔は真剣そのもの。目的が明確になっているからなのか、いつもよりも集中しているように見える。そんな彼らを見て、ティオスは吹き出していた。
「君たちじゃ5分なんて持つわけないじゃないか」
「一撃でカタがついてしまうな」
格下とわかっているからこその余裕を覗かせるティオスと雑魚には興味ないといった表情の天海。確かにいくらカミューニさんとラクサスさんが強いと言っても、この二人相手では見劣りしてしまう。それだけ彼らは強すぎるんだ。
「お兄ちゃん!!」
「ラクサス」
無謀
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