二人の天才
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思わず後退りしそうになった。そんな俺を見ても、レオンは冷静に声をかけてくれた。
「みんなの魔力をシリルに集めて!!」
彼が落ち着いていた理由はただ一つ、ここには多くの魔導士が集まっているからだ。彼は全員の魔力を一つにしようとそう声をかける。
「え!?」
「それってつまり・・・」
その声かけを行ったと同時に、なぜか顔を赤くする人たちがたくさん出てくる。何事かと思っていると、どこからか現れた銀髪の少女に肩を掴まれた。
「シリルとキスできるってこと!?ムチュールってこと!?」
「うわああああ!!」
大喜びで唇を尖らせ近付けてくるソフィア。俺はそれに懸命に堪えながら助けを求める。
「ソフィア、お前じゃ魔力移しはできないだろ?」
「え!?じゃあどうするの!?」
レオンのもっともな突っ込みに残念そうに手を離すソフィア。助かったと思いながら乱れた呼吸を整える。
「私が皆さんの魔力をシリルに付加します!!だから・・・」
どうするのかと思っていたらウェンディが俺の前に立ちながら手を挙げる。そして彼女は大きな声で叫んだ。
「これ以上シリルの唇を犯さないでください!!」
「「「ぶほっ!!」」」
天竜の思わず発言に吹き出してしまった俺たち。しかもティオスと天海もツボに入っているのか、顔を抑えて震えていた。
「あ・・・あの・・・ウェンディ?」
「はっ!!」
力が入りまくっている少女に声をかけると、正気を取り戻した彼女は、りんごのように真っ赤になった顔を抑えながら俯いている。
「じゃあウェンディがシリルに魔力を付加して・・・」
「待って!!」
落ち着いたところで改めて次の行動を確認しようとしたレオン。しかし、それにアイリーンさんが待ったをかける。
「一人であの二人を相手にするのは無理よ!!せめてもう一人ーーー」
「俺が行く」
アイリーンさんが危惧していたのはティオスと天海相手に俺一人では勝機なんてないこと。それはもちろん俺たちもわかっている。そこに手を挙げる桜髪の青年。
「兄ちゃんの仇は絶対ぇ討ってやる」
兄であるゼレフが殺されたことでいつもより気合いが入っているナツさん。右腕がケガで変色しているのが気になるけど、今、もっとも戦いのモチベーションが高いのは彼であることは間違いない。ここは任せるしかないだろう。
「シェリア、二人を治癒してくれ。その間にウェンディは二人にみんなの魔力を付加するんだ」
「わかった!!」
「うん!!」
戦うのは俺とナツさん。二人はその場に座りシェリアの魔法で治癒を、ウェンディの魔法で全員の魔力を体内へと宿していく。
「私も手伝うわ」
「お願いします」
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