二人の天才
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、彼らを殺そう。そのあとは約束通り・・・」
「全く・・・こいつらじゃウォーミングアップにもならないな」
目的達成まであと少しのティオスと彼を殺すためにと俺たちを見据える天海。その二人を見て腰が引けそうになる。でも、ここで逃げるわけにはいかない!!
「これ以上お前らの好きにはさせない!!絶対に止めてみせる!!」
策なんてものは一切ない。それでももうやるしかない。そう覚悟を決めると、シェリアと何かを話していたレオンがニヤリと笑った。
「なるほど。俺が生き返ったのはそのためか」
何かに納得したように彼はうなずくと、動けないはずの体に鞭を打ち、こちらへと近付いてくる。
「シリル」
「何?今集中しーーー」
四つん這いでハイハイしながら来た彼にいきなり胸元を捕まれ引っ張られると、突然口を塞がれる。彼の唇によって。
「「「「「!?」」」」」
その場にいた全員が何が起きたのか理解できなかった。しかも、彼は引き剥がそうにもものすごい力で俺のことを掴んでおり、全然離れられる気がしない。
「ぷはっ」
どのくらいの時間経ったかわからなかったがようやく解放された俺。レオンは俺から手を離すと、その場に座り込む。
ゲシゲシゲシッ
「いたたたた!!蹴るなシリル!!」
そんな彼に対して俺は唇を抑えながら蹴りつけている。目にはいっぱいに涙を溜めながら、ありえないような行動をしてきた彼に攻撃していると、あることに気が付いた。
「あれ・・・魔力が・・・」
さっきまでなくなりかけていたはずの魔力が高まってきている。反対に、レオンから感じる魔力は小さくなっていた。
「ハルジオンで見ただろ?俺は魔力を口移しできる」
魔力が扱えなくなったシェリアのために"魔力移し"という秘術で自分の魔力を彼女へと分け与えたレオン。どうやら先ほどの行動も、俺に魔力を分けるための行動だったらしい。
「ティオスは俺とシリルが合わさった姿・・・なら俺らの魔力を合わせればいい」
こちらに目線を向けたレオンが頷いてみせる。しっかりと彼なりの意味が合ったことに納得はする。ただ、俺の唇を奪ったことだけは許さない。あとでウェンディに上書きしてもらうからな。
「ふふっ、やっぱりこの時代の俺は未熟だな」
俺の魔力が大きく上がっているにも関わらず、ティオスには焦りがいまだに見えない。彼はレオンの方を見ると、冷静に告げる。
「俺は今のお前たちよりも何年も戦いを経験している。魔力もお前ら二人が合わさろうと問題にならないほど成長してるんだよ」
そう言って彼は魔力を高めていく。まるでこちらの戦意を再び削ぐかのような行動に、思わず圧倒されそうになる。
「大丈夫だ、シリル」
敵のプレッシャーに
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