二人の天才
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答えはすごくシンプルよ」
全員の目を真っ直ぐに見つめて答える天使。その顔はどこか笑っているようにも見えた。
「ティオスは私の息子の肉体を使っているだけであって天使でも神でもない、ただの人間。人間には限界がある・・・例えそれが誰であろうと、平等にね」
ティオスの弱点を何か見つけた様子のヨザイネ。彼女はさらに続けた。
「"ティオスのタイムリミット"まであと少し・・・そして彼が倒されれば、自ずと勝利が見えてくるわ」
シリルside
その場に四つん這いになったまま動かないレオン。それを見た天海の集中力が低下しているのが、見ているだけでわかる。
「やはりこの時代の僕では、君を倒すのにあれを使わなくてはいけなかったんだね」
止血を終えたティオスがゆっくりと立ち上がる。まだ体の均衡が崩れたことに慣れていないのか、かなりふらついてはいるものの、彼の能力を考えれば大した問題にはならないだろう。
「またお前と戦えると思っていたが・・・残念だ」
深いため息をついた天海。レオンに向けられていた殺意が明らかに下がっていたが、それは彼に対しての興味がなくなってしまったから。興味を失った彼が、次にどんな行動に出てこられるのか、すぐに想像できる。
「レオンを治癒すれば・・・」
「うん!!私たちの魔法で・・・」
そういってレオンに治癒魔法をかけようとしたシェリアとウェンディだったが、それを彼が止める。
「悪い。二人の魔法でもすぐに動けるレベルには戻りそうにない」
相当体にダメージが大きいのか、手を上げ二人を制したレオン。おかげで俺たちの士気はどんどん下がっていく。
「どうするんだよ!!」
「レオンが戦えないんじゃ何も状況が変わってないじゃないか!!」
あわてふためく声が響き渡る。ようやく差し込んだと思った希望の光が途絶えたこと、それへの期待があまりにも大きかったこと、上げて落とされたような感覚に、戦意が喪失してしまうのも無理はない。
「こうなったらソフィアがシリルとフュージョンするしかない!!」
「ソッフィは黙ってなさい」
「なんだよフュージョンって」
謎の技名を叫び出すソフィアをそれを嗜めるリュシーさん。もう誰も戦えるような状況では決してない。その慌てぶりが目に見えているからなのか、ティオスも天海もこの混乱に乗じて攻めてくるような素振りを見せない。
「やれやれ、これが仲間たちとの絆を語る魔導士の成れの果てか」
「そうだよ、これが彼らの本性さ」
相手にするのも嫌そうな天海に対しティオスは嬉々として答える。それは勝利を確信したからなのか、先ほどまでの不調がウソのように仁王立ちしている。
「さぁ
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