二人の天才
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
ヒュンッ
天界に戻ってきたヨザイネ。それと同じタイミングでオーガストもこの場所へと戻ってきていた。
「おかえり、ヨザイネ」
二人を暖かく迎え入れるドラゴンたち。戻ってきた二人は彼らに答えるよりも先に彼女たちは地上の様子を見るために泉へと駆けていく。
「レオンは!?生き返ってる!?」
すぐにティオスたちがいる戦場の様子を確認すると、その場に金髪の少年がいることに安堵していた。
「お前の計算は正しかったということだな、ヨザイネ」
「よかった・・・」
安心したあまり腰が抜けてしまったのか、地面へと座り込むヨザイネ。そんな彼女に申し訳なさそうにヴァッサボーネが声をかけた。
「ヨザイネ・・・すごく言いにくいんだけどさ・・・」
彼女が生き返らせてくれたレオン。最強戦力であろう彼が蘇ったことは大変ありがたい。しかし、それが今は機能する状態ではないのだ。
「どうしたの?ヴァッサボーネ」
モジモジしてなかなか用件を言わない彼に首をかしげる。彼のその姿を見て気を使ったのか、イグニールが割って入った。
「ヨザイネ、どうやらレオンは戦えないみたいだぞ」
炎竜王の言葉を聞いて地上の様子を見下ろす少女。彼女は立てずに四つん這いになっているレオンを見てから、全員の方を向き直る。
「神の領域の使いすぎでしょ?知ってるよ?」
「「「「「え?」」」」」
もっと動揺するかと思っていたところでそんな言葉が帰ってきて間抜けな声が出た。少女は全て計算ずくなのか、淡々と話し始めた。
「レオンは天海を倒すために神の領域で自らの肉体の限界を越えたわ。そのダメージは蘇った今でも治らずに残っちゃうのよ。だってそれが致命傷になった訳じゃないんだから」
ヨザイネが自身の肉体を捧げ魔導士たちを蘇らせた時、皆すぐに戦える状態までケガが治っていた。だがそれはあくまで致命傷が癒えた形になっており、それよりも前に受けたダメージは蓄積しているのだ。そのため、レオンは生き返ったにも関わらず動くことができないでいるのだ。
「ならばヨザイネ、どうやってティオスと天海を倒すのだ?」
「そうね。レオンが戦えないのであれば、誰が彼らを倒すの?」
オーガストとグランディーネの問いに他のドラゴンたちもうなずく。レオンが蘇ったといっても戦えないのであれば戦力的に考えてシリルたちの劣勢は変わらない。そう思っていた、彼女以外は。
「ううん。これでティオスが落ちるまでは時間の問題だわ。そして彼が落ちれば、天海は問題にならない」
迷いのない目でそう告げる少女に彼らは顔を見合わせた。一体何が起きてそんなことになるのか、全く理解できなかったからだ。
「ヨザイネ、もっとわかるように教えてくれ」
「みんな深く考えすぎなの。
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ