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ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
不死鳥は天(そら)に煌めいて
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《私が貴女のお母さんでも、きっと同じこと言ったわよ》





憧れの人からそう言われた時、私は酷い絶望感に苛まれた。







次に大輔が目を覚ました時、薄らと色づいていたはずの空には太陽が昇っていた。
しぱしぱする目を何度か瞬きさせて隣を見ると、ヒカリとプロットモンが、反対側には賢とパタモン、そしてブイモンが眠っていた。
他の先輩達もぐっすりと眠り込んでいたので、起きたのは大輔だけだった。
昨夜、と言うか昨日は1日大変だった。いきなり見知らぬ世界に飛ばされ、自分達の名を呼び慕ってくる不思議な生き物に懐かれ、大きなクワガタに追いかけられ……前半だけで割とお腹いっぱいな内容であるにも関わらず、そこまではほんの序章に過ぎず。
何とか逃れて海に出れば、今度は建物3階分ぐらいの大きさの貝に襲われる羽目になった。
大きなクワガタの時と違って、皆一方的にやられてしまったけれど、土壇場で太一のアグモンが更なる進化を遂げたのである。
グレイモン、と名乗ったオレンジ色の大きな恐竜は、苦戦していたのが嘘みたいに大きな貝……シェルモンを投げ飛ばした。
その後急いで海から離れて、宛てもなく彷徨い続けた彼らは、やがて夜を迎える。
これ以上うろつくのは危ない、ということで、今大輔達がいる湖までやってきて、一行は寝ることにした。
したのだが、やはりというか、平穏は長くは続かない。
ひょんなことから湖の主である水龍の怒りを買ってしまい、今度は治がピンチに陥った。
その治を救ったのは、太一の時と同じ、治のパートナーのガブモンであった。
蒼き狼・ガルルモンへと進化したガブモンは、その強靭な四肢と青白い炎をもってシードラモンを撃退した。
つい数時間前のことである。
昨日1日で色々ありすぎて、子ども達のキャパシティーはとっくに振り切れていた。
負担がかかった心を護ろうと、身体が無意識に休息を欲し、シードラモンに襲われた恐怖とガブモンが進化した興奮で目が冴えていた子ども達は、強烈な眠気に襲われた。
地べたで寝るのは嫌だと言っていたミミが、真っ先に横になった。それにつられるように、デジモン達や最年少である小学2年生の3人、最年長であるはずの丈が穏やかな寝息を立てて眠り出す。
太一と空、光子郎は、何故ガブモンが進化したのかが気になって、ギリギリまで議論していたのだが、結局眠気には勝てず、ものの数分で静かになってしまった。

「……あら、大輔。起きたの?」

湖を眺めてぼーっとしていたら、背後から声をかけられた。
振り返った視線の先にいたのは、つい今しがた起きたばかりと見られる空。
ぐっもーにん、って癖になっている挨拶を口にすれば、空は同じくぐっもーにん、って返してくれた。
これが太一なら、ここは日本な
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