ちいさなしまのおはなし
不死鳥は天(そら)に煌めいて
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るう。炎のシャワーが、メラモンに降り注いだ。
メラモンに炎は利かない。だが、威力のある炎の塊を、何十発もうち放ち吸収すればどうなるか。
コップに注ぎ過ぎた水が溢れるのと同じように、自身のキャパシティー以上の炎を吸い取ったメラモンは、荒れ狂う体内の炎に勝てず、その場で蹲った。
小さくなっていく身体。勝ったのだと気づいたのは、メラモンの身体から黒い歯車が飛び出して行って、空中で爆発したのを、目撃した時だった。
『ソラ!ソラ!!ソラァ!!』
「ピヨモン!」
退化したピヨモンがへろへろと高度を下げながら、パートナーの名を何度も呼び、その腕に飛び込む。
空も、自分を助けるために進化を果たした、甘ったれのだけだと思っていたパートナーを迎え入れる。
勢いあまってその場で2周ほど回った空とピヨモンは、互いの無事を喜んで笑い合っていた。
空の中の、ピヨモンに対する印象はここで決まったと言ってもいいだろう。
甘ったれで、空に対する大好きっていう気持ちを隠そうともせず、それでいてとても勇敢で優しい子。
知らない場所に飛ばされ、不安や疑念が纏わりついていた空の心は、ピヨモンの愛情で少しずつ晴れていく。
「ピヨモン、ありがとう……!本当にありがとう!」
『ううん、ピヨモン、当たり前のことしただけだよ。だって……』
ソラが、大好きだから。
鬱陶しいと思っていたその愛情表現が、今は嬉しかった。
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