ちいさなしまのおはなし
不死鳥は天(そら)に煌めいて
[18/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ラモンの異変に真っ先に言葉を発したのだ。
アグモン達の攻撃を受けるメラモンは、ダメージを負うどころかニヤニヤと笑っている。
そして、元々大きな身体が、更に大きくなっていった。
「どっ、どうなってるんだ……!?」
「……そうか!メラモンの身体は炎だから、炎の技は利かないんだ!」
「みんなのエネルギーを吸い取って、大きくなっています……!どうしますか!?」
光子郎が尋ねるが、太一も治でさえも、いい案などない。
炎は水に弱いから、せめてここに水があればまだ手はあったかもしれないが……。
「……おい、まずいぞ!どんどん大きくなってる!」
治が叫んだ。大人より少し大きい、ぐらいだったのが、今やグレイモンと同じぐらい、いや、それ以上かもしれない。
最早、逃げ場などなかった。
メラモンが不敵な笑みを浮かべながら、崖を滑り降りてくる。
子ども達の頭が、真っ白になった。
メラモンに吹っ飛ばされたピヨモンが、痛む身体を叱咤して起き上がった。
空は、無事だろうか。震える身体を何とか起こして、空の方を見やる。
ピヨモンがやられてしまったところをまともに見てしまった空は、へたり込んでいた。
まるで、空が泣いているように、ピヨモンには見えた。
『っ、ソラ……!何よ、こんなことで、負けたりしないんだからっ!』
──護らなければ、そのためにアタシは、ここにいるんだ!!
空の腰につけられた白い機械が光り輝いたのは、その時だった。
ピヨモンを傷付けられ悲しんでいた空の心と、空を護りたいピヨモンの心が1つになった時。
想いは形になって、力が生まれる。
『ピヨモン進化ぁー!!』
は、と空は顔を上げた。光に包まれたピヨモンの身体が、大きくなっていく。
『バードラモン!!』
光を突き破って姿を現したのは、まるで不死鳥のような炎の化身。
オレンジ色に燃える羽をゆったりと羽ばたかせ、進化したピヨモン──バードラモンは飛んだ。
崖を滑り降りてきたメラモンを押し返すその力強さに、空の目が見開かれる。
地響きと、爆風に巻かれた砂埃。
その巨体に似合わない、美しい囀りが、空を心地よく包んだ。
『うぉおおおおおおおお!!バーニングフィストォオオオ!!』
バードラモンに吹っ飛ばされたメラモンは、炎の弾を連射してバードラモンに何度も投げつける。
まともに食らっているバードラモンだったが、全くダメージを受けている様子を見せない。
恐らくメラモンと同じで身体が炎で構成されているから、炎の攻撃は効かないのだろう。
大きく羽ばたく。大空に舞い上がり、メラモンから距離を取ると、ばさりと開かれた翼に幾つもの煌めきが見えた。
『メテオウィング!!』
ばさ、と翼を振
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ