ちいさなしまのおはなし
不死鳥は天(そら)に煌めいて
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出逢って2日しか経っていないが、テントモン曰くピヨモンは人懐っこい性格らしい。
ここに来るまでも、ピヨモンは空に甘えて、甘えすぎて空に怒られていた。
シュンとなったピヨモンに罪悪感を抱いて、結局甘やかしてしまった。
その時の顔と言ったら、まるで母親に抱っこをしてもらう直前の子どものような表情で。
「……ただの甘ったれのくせして、何言ってんだか……」
でも、と空は思い出す。
太一のアグモンも、治のガブモンも、進化を果たしたのは2人がピンチに陥った時だった。
ならば自分も……?あの甘ったれが、自分がピンチになったらグレイモンやガルルモンみたいに身体が大きくなって、自分を助けてくれると言うことだろうか?
空は想像してみる。
アグモンもガブモンも、それぞれの特徴を残した進化をしていた。
ということは、ピヨモンも大きな鳥になるのだろうか。
しかしどう想像してもピヨモンが大きくなっただけの姿しか思い浮かばず、空は吹き出してしまう。
まあ、そうそうピンチになることもないだろう、って空は頬杖を解いた。
ピョコモン達がご馳走をしてくれる、とのことで喜んでいた子ども達は、その前に喉の渇きを潤したいとピョコモン達に訴える。
案内してくれた先にあったのは、簡易な噴水だった。
覗き込むと、ゴミが浮かんでいる様子はない。
傍にいるだけで爽やかな風を感じ、ずっと熱い風に晒されていた子ども達には天国にも等しかった。
ピョコモンによると、この辺りの水はミハラシ山と呼ばれる山に水源があり、そこから流れているらしい。
ミハラシ山って?って賢が尋ねると、ピョコモン達は一斉に同じ方向を振り向き、同じ山を指した。
ピョコモン達が指した先にあったのは、渦巻きのような形をした、少し変わった山だった。
悪意は、すぐそこまで迫ってきている。
いざ水を飲もうと、下級生3人が噴水に溜まっている水に手を伸ばした時だった。
ぞく
とても暑いはずなのに、まるで全身に氷水をかけられたような寒気を覚えた大輔は、その手を何故か引っ込めてしまった。
大輔だけじゃなく、ヒカリと賢も大輔と似たような顔をして腕を引っ込める。
あれだけ喉が渇いたって言って、水を飲みたがっていたのに、一向に飲もうとしないから不思議に思った太一達は、どうしたって3人に聞こうとした、その時だった。
轟っ!!
噴水から湧き上がっていたはずの水が勢いを失くしたかと思うと、突如として火柱が立ち上がったのである。
水は一瞬にして干上がってしまい、子ども達とデジモン達は悲鳴を上げた。
『いったいどうして……!?』
「喉乾いてたのにー!まだお水飲んでないー!」
『だ、だいじょうぶ!あっちにいけがあるから!』
う
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