ちいさなしまのおはなし
不死鳥は天(そら)に煌めいて
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「……1泊ぐらいできるかなぁと思ったけれど、これじゃ無理だな。現実はそう甘くない、ってことか……」
「でもまあ……休憩するぐらいは出来るだろ」
「そうですね。水もあるみたいですし、水分補給をして、身体を十分休めるぐらいは……」
がっかりする治を慰めるように、太一と光子郎が言った。
確かに、ここで寝ることは出来ないかもしれないが、休憩を取るには丁度いいかもしれない。
ピョコモン達の許可を取って、子ども達はようやく腰を落ち着けることができた。
『ねぇねぇ、ピヨモン。ピヨモンはどうやってしんかしたんだ?』
ピヨモンに押し付けていたピョコモンのうちの1体が、ピヨモンにそう尋ねた。
『ソラと一緒にいたら、いつの間にか進化したのよ』
『のよ?なんだそれ?』
『ピヨモンのことば?』
『ふふ、違うわ。これはソラが使ってる言葉。一緒にいると、ソラの言葉たっくさん覚えるから……』
『へー!そうなんだ!』
子ども達が各々好きなところに座り込んで休憩している中、空はピヨモンのすぐ近くに腰を下ろした。
自慢げに、そして誇らしげにピョコモン達に語っているピヨモンが、まるで小さな弟や妹にお姉さんぶる子どもみたいに見えて、思わず笑みが零れる。
途中で、ん?と疑問が浮かぶような話題が出たが、ピョコモン達はそれ以上興味がなかったのか、それをサラッと流して次の質問に移った。
『それより、どうしてしんかできたの?ただにんげんといっしょにいれば、しんかできるの?』
どうやらピョコモン達の興味は、進化の方だったようだ。
これは後から聞いた話なのだが、ピヨモンがピョコモンだった頃はどんなに頑張ってもピヨモンに進化出来なかったらしい。
それは他のデジモン達も同じで、子ども達と出会ったことでようやく進化を果たしたのだと。
普通のデジモンは、長い長い年月を経て力を蓄え、進化するのである。
アグモンやガブモンのように、グレイモンやガルルモンに進化したらまた戻るということは、殆どあり得ないのだ。
でも今の子ども達は、そんな情報を知りえない。
デジモン達も、どうして進化と退化が出来るのか、分からないからだ。
そしてそれは、近い将来に知ることとなる。
だからピヨモンは、考えうる中で最初に思いついたことを、口にした。
『それはきっと、ソラを護るため!』
それは、デジモン達にとって当たり前のことで、他の何よりも優先すべきものだった。
物心がつく頃から、何故だか分からないけれど、パートナーを護るのだと、当たり前のように思っていた。
ずっとずっと待っていた、最愛の人達。子ども達を護るために戦う力を手にいれたのだ、とデジモン達は信じて疑っていない。
「……私を護る、ねぇ?」
傍で聞いていた空は、訝しんでいた。
まだ
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