暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
目指せ全国編
4話 ずっとそんな野球をしてきたからさ……
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 正美が入部した翌日、守備練習で正美は全ポジションを回る事となった。守備は一通り出来るという事で、ポジション毎の実力を知りたいとの芳乃から要望があった為だ。

 

 サードからファーストまで順々に守備位置を移動して、外野はライトからレフトへ。最後にノックを上がったらキャッチャーのポジションに着く流れとなっている。

 

 ノッカーを務める藤原先生がバッターボックスに入った。

 

「センセー、私硬球初めてなので最初は緩いのお願いしまーす」

「分かりました」

 

 打合せ通り、1球目はボテボテのゴロが転がってきた。硬球の弾み方を確認しつつ、捕球してバックホームする。

 

 次に受けるのはサードのレギュラー理沙。彼女には私が受けた者より速い打球が飛んできた。

 

――結構、鋭い打球だなー。普段からこんな厳しいノックを受けてるんだー。

 

 正美は全ポジションを回らなければならないので、サードで数球ノックを受けると、次はショートへ移る。稜が正面の打球を処理した後、藤原先生は正美に対して三遊間を抜けるギリギリのエリアに鋭い打球を放った。稜であったならば飛び込んでようやく処理できる打球を、正美は逆シングルでグラブに納め、素早く1塁へ送球する。

 

「もう強い打球も大丈夫そうね」

 

 藤原先生は目の色を変えた。

 

「あの打球をいとも簡単に……」

「稜……あなた、レギュラー陥落の危機ね」

 

 稜が正美のプレーに唖然とすると、菫はそんな稜に憐みの視線を向ける。

 

「えぇ、そんな〜。ねえ、正美は控えでいいんだよね!?」

「あはっ」

 

 必死に詰め寄る稜に対し、正美はただ笑いかけるだけだった。

 

「お願いだからもう一度控えでいいって言ってよ〜」

 

 騒ぐ稜に藤原先生から雷が落ちる。稜はその後、涙目でノックを受けた。

 

 

 

 

 全ポジション一通りノックを終える。普段守ることの多いショートとセンターの評価が特に高かった。もっとも、他のポジションでも高いポテンシャルを発揮しているのだが。

 

「凄いよ!どのポジションも予想以上だよ〜!」

 

 芳乃はツインテールをピョコピョコするほど興奮していた。

 

「基本的には理沙先輩と伊吹ちゃんが登板する時にサードかレフトを守ることになるけど、それ以外でもここぞと言う時には代走で入ってもらうから、どこでも守れるように準備してね」

「あいあいさー」

「休憩が終わったらシート打撃するから、ピッチャーお願いね」

 

 ベンチに戻り、水分補給をしながらキ
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