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さすがお兄様な個性を持っていたけどキモい仮面のチートボスにやられた話
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『ひどいよ、かっちゃん・・・・!泣いてるだろ!? これ以上は、僕が許さゃないへぞ!』
暑い夏の晴れた日、セミの鳴き声と怪我をしてうずくまりすすり泣いている声が聞こえる公園。僕はかっちゃんたちにイジメられていた友達を助けようと立ち向かった。
恐怖で震え、上ずった声を出しながらも、ファイテイングポーズを取る。
怖かった。かっちゃんが強いことは知っていた。なんでも出来て、強個性で、今思えば暴君だ。
『“無個性”のくせに、ヒーロー気取りか、デク!!』
手のひらを爆発させながら、目が笑ってない笑顔で威圧してくる。後ろにいた二人もそれぞれ大きな翼を広げたり指を伸ばしたりして個性を使う。
無個性である僕は木偶の坊。だから、デクとかっちゃんに呼ばれた。
『ひっ!!』
三人が飛び掛かって来る。無個性である僕は後ろの子の代わりに殴られるくらいしか出来なかっただろう。戦う力なんて無かった。
でも、逃げるのは嫌だった。逃げたら、後ろにいる子を守れない。
『おらぁあ!』
爆発させながらかっちゃんが殴りかかってくる。僕は目をつぶってしまう。
それはだめだと兄さんに言われたばかりだったのに。
来る!殴られる!
『ヘグッ!』
『ゲボッ!』
『ガハァッ!』
聞こえたのは僕が殴られる音、ではなく、向かってきたはずの三人が殴られた音だった。
僕は、恐る恐る目を開けた。
『迎えに来たぞ、出久』
『お兄、ちゃん・・・・?』
目の前に立っていたのは、三人を殴り倒した僕からみて背の高い上級生。僕の兄さん、緑谷達也だった。
僕にとって兄さんは、初めて憧れた人だった。
オールマイトよりも先に憧れて、近くにいるのにオールマイトよりも遠い存在。
勉強も運動もなんでもできてどんなことも簡単にこなしてしまう。
イジメられていた僕をいつも助けてくれる。まぁ、やりすぎてしまうのがしょっちゅうだけど。
どこまでも遠くてどこまでも大きい背中だ。
普通なら嫉妬して嫌ってしまうかもしれない。
でも、無個性だとわかった僕に他の大人やお母さんすら言ってくれなかったことを言ってくれた。
『お前は、最高のヒーローになれる』
嬉しかった。たとえ叶わなくてもその言葉で僕は救われた。
それからは兄さんの特訓に付き合って一緒に鍛えたり体術を教えてもらったりした。自分で言うのも烏滸がましいけど学校じゃ喧嘩を挑まれたら必ず勝っていいた。もちろん喧嘩したかったわけじゃないけど。
それから、兄さんの友達とその兄弟とも遊ぶようになったり、あのオールマイトとも会わせてくれたりした。
誕生日に生オールマイトはすごかった。すごくうれしかった。
中学入学祝いにはあのI・アイランドに連れて行ってもらって、更にオールマイト
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