ビースト VS アナザーウィザード
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ユッキーの愛のためにあるの。それ以外に存在価値なんてないわ」
少しずつ近付いてくるアナザーウィザード。ハルトは逃げようとするが、コウスケの体を持ち上げることがなかなかできない。
「終わりよ」
アナザーウィザードは冷酷にも、再び魔法を使おうと動く。
その時。
バチチ
「え?」
その疑問符は、他ならぬアナザーウィザードからだった。
彼女は、全身に走る小さな亀裂に、体を止める。
そして。
爆発した。
「嘘……」
「さっきのダイスサーベルか……? 少し威力が下がって、オレのキックストライクが命中したのか?」
そう、コウスケが分析した。それが正しいと証明するかのように、変身解除した由乃が、その場に倒れこむ。その近くにウィザードの懐中時計もあるが、どうやらまだ壊れてはいないようだった。
刹那、ハルトの体が何かに突き動かされるように跳ねる。
「あ」
体内の臓器が、体を突き破ろうと暴れているような感覚に見舞われる。同時に、腰に銀が出現した。
それを見下ろした瞬間、ハルトの口から、思わずその名前が漏れた。
「ウィザードライバー……?」
何度も馴染む手触り。それは紛れもなく、魔法使いのベルト、ウィザードライバーだった。
「戻ったのか……?」
「おのれえええええええええ!」
凄まじい形相で起き上がる由乃。彼女は、地面に落ちたウィザードウォッチを拾い上げた。
「なぜ戻った? モノクマアアアアアアアア!」
『はーい!』
由乃の呼び声に、白と黒の人形、モノクマが彼女の背後にその姿を現す。
『うぷぷ。あれれ? ウィザード、戻っちゃってるね』
「どういうことモノクマ? コレを使えば、力を奪い取れるんでしょ?」
『うぷぷ。それはね、一回倒されちゃったからだよ。一時的に、アナザーウィザードの存在とウィザードの存在があやふやになっちゃったから、本物のウィザードにも力が戻っちゃったんだよ』
モノクマは口を抑えながら、肩を震わせている。
『でも、安心して。一定時間たてば、また君だけのウィザードになるから』
「一定時間?」
『そう。でも、その間に、ウィザードを殺しちゃった方がいいと思うよ。君がアナザーじゃない、本物のウィザードになるんならね』
モノクマはそう言いながら、今度はハルトの方を向いた。
『でも、我妻由乃だけに肩入れするのも監視役としてフェアじゃないよね? だから、ウィザードにも教えてあげる』
「……?」
『アナザーウィザードは、君。ウィザードにしか倒せない。アナザーウォッチを破壊できるのも、そのオリジナルだけ。つまり……うぷぷ』
モノクマは、腹を抱えた。
『ウィザードと、アナザーウィザード
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