ビースト VS アナザーウィザード
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「うん……」
まどかの不安そうな表情は晴れない。だが、ハルトはそんな二人を置いて……チノたちがハルトの姿を見る前に、響が教えてくれた方角へ急いだ。
「待て!」
ようやく追いついた。コウスケは由乃の肩を掴もうと手を伸ばす。
しかし彼女は、振り向きざまにナイフを振る。慌てて引っ込めた手の上を、ナイフの刃が横切った。
「邪魔しないで!」
逃亡を諦めた由乃は、逆上してナイフで襲ってくる。フィールドワークで鍛えた身体能力でそれを避け、距離を置いた。
「どいつもこいつも……! 私とユッキーの邪魔をしないで!」
「おいおい、落ち着けって! なあ? 穏便に済まそうぜ?」
コウスケはそう宥める。しかし、耳を貸さない由乃はそのナイフでこちらの命を狙ってくる。
「おいっ?」
「聖杯戦争に勝って、ユッキーを生き返らせるの! だから、他のマスターは皆死ね!」
そう、振りぬかれた一振りを、コウスケは手首を掴んで止めた。
「だから待てって! その前に、こんなに大勢を巻き込んでもしょうがねえだろ? 戦いたいなら、オレが後で相手してやっから、今はこれを解け」
「嫌!」
腹に痛み。彼女の蹴りで、コウスケは思わず手首を開放してしまった。
そのまま蹴り飛ばされたコウスケは、由乃が紫の懐中時計を取り出すのを目撃する。
「おい……」
「私は勝ち残る! 勝って、願いを叶える! そして私とユッキーは、永遠に繋がれる!」
『ウィザード』
発生した音声とともに、彼女の姿が紫の魔法陣に包まれる。
変身したアナザーウィザードは、静かにこちらににじり寄ってきた。
「仕方ねえ」
『ドライバーオン』
コウスケもまた、戦闘態勢に入る。指輪をバックルにあてることで、魔法の力、ビーストドライバーが出現する。
左手にビーストの顔が描かれた指輪を取り付け、天高く掲げる。
「変〜身!」
『セット オープン』
バックルの扉が開き、内部に仕込まれていたライオンのレリーフが露になる。
そこから発せられた魔法陣を走り抜け、魔法使い、ビーストへの変身が完了。
ダイスサーベルを振りぬき、ビーストはアナザーウィザードへ斬りかかる。
しかし、身軽な動きのアナザーウィザードを捕らえることが出来ず、ずっと空ぶっていた。
「んにゃろう……!」
らちが空かないと、ビーストはダイスサーベルのサイコロを起動。
『6 ファルコ セイバーストライク』
「うっし!」
六体のハヤブサが、それぞれの軌道を描きながらアナザーウィザードを襲う。しかし、アナザーウィザードは少しも焦らずに、ベルトに手をかざす。
『バインド』
発生した鎖が、ハヤブサたちを薙ぎ払い、
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