第六十話
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た。
「あの黒い手が消える前に分身を放って周辺を探らせたんだけど、近くで織田の小隊を見たんだ」
佐助が齎した情報に、私の表情も引き締まる。
流石に織田の小隊を見たともなれば、話は別だ。佐助なんかからかってる場合じゃない。
「……織田の?」
「そう。で、その中に魔王の妹の市姫の姿もあった」
織田の軍勢引き連れて、第五天魔王が現れた……って考えても良いってことかしら?
っていうか、そういうことだよねぇ。どう考えても。
「じゃあ、あの黒い手を放ったのはやっぱり織田の仕業って考えていいのかしら」
「多分ね。あの子供が言った黒い沼みたいなのと小さな手が、魔王の妹の周囲に湧いてたから。
織田の連中もそれを避けるようにして様子を見ているって感じだったし……」
なるほど、ってことは第五天魔王があの黒い手の犯人ってわけね。
佐助、なかなか使えるじゃん。ただのストーカーとか思ってて申し訳なかったわ。
今度から使えるストーカーって考えることにしよう。うん。
「なら、わざわざ攻撃をした真意は? つか、それ見てたのに捕らえて来なかったの?」
「捕らえたかったけど返り討ちにされたんだよ。俺様の分身だって、そんなに弱くないはずなんだけど一撃で仕留められたからね。
あの黒い手に……攻撃して来たのは、おそらく故意に攻撃をしようと思って仕掛けてきたわけじゃないと思うんだ」
……は? それってどういうこと? そこに館があったから叩き潰した、とでも言うつもり?
どうにも言わんとすることが分からない、そんな顔をしていたのか、佐助が溜息を吐きながら自分の頭を掻いている。
「力の暴走、何かそんな感じだったんだよね。
自分でも抑えきれないって感じで無差別に攻撃してたっていうか……織田の兵も何人かはやられてたしね」
力の暴走……そりゃ、厄介だ。武田はそのとばっちりを受けたってわけかい。
私はあの自称神様のこともあってか婆娑羅の力のコントロールが最初から出来たけど、
婆娑羅の力ってのは結構簡単に制御出来るもんでもなかったりする。
いろいろと修行を積んでようやくコントロールが可能になる代物で、簡単に誰でもホイホイ使えるようなもんじゃないのよねぇ……。
小十郎だって雷の力を発現させた時は制御が出来なくて大変だったもん。
ついでに政宗様の時も大変だったけど、小十郎が避雷針になってくれたから変な暴走の仕方をしなくて済んだわけ。
あんな館を半壊させるほどの暴走の仕方をするってことは、相当強い力を持ってるって考えた方が良さそう。
やっぱ魔王の後釜だけあって手強いな。
でも、そんな力の使い方をしていれば、身体に掛かる負担も相当大きいような気がするけども……。
「情
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