第15話 アムリッツァ前哨戦
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、ビッテンフェルト艦隊を突破して戦場からの離脱を図る。
「提督、本艦も」
「待て、傷ついた味方艦を1隻でも多く逃がすんだ。ギリギリまで踏み止まる」
ウランフの奮戦により、第十艦隊の半数は脱出に成功した。
「よぉし、脱出する! 最後のミサイルを全弾発射しろ!!」
直後、ビッテンフェルト艦隊の放ったビームが第十艦隊旗艦盤古のミサイル発射口に直撃。
発射直前だったミサイルは誘爆し、盤古《バン・グゥ》は致命的なダメージを負った。
「うあっ…んん……参謀長、味方は…脱出…したか?」
「は、半数は」
「そ…そうか……」
盤古《バン・グゥ》は爆沈。
数々の戦場で活躍し、同盟軍を支えた猛将ウランフの最後だった。
――アルヴィース星域――
「あ、あれは!!」
「ん? おお、何と素早い!」
第九艦隊旗艦パラミデュースのすぐ至近距離まで帝国軍のミッターマイヤー艦隊が迫っていた。
「まるで……疾風だ」
このミッターマイヤー艦隊の迅速さを『疾風』に例えたのがきっかけで、後に彼は『疾風ウォルフ』の異名で呼ばれることになる。
「いかんな、少し速度を落とさせろ。距離をもたんと攻撃もできん」
ミッターマイヤー艦隊から砲撃が放たれ、第九艦隊の艦は次々に撃沈。
旗艦パラミデュースも被弾し、司令官のアル・サレム中将は重傷を負った。
「閣下! アル・サレム提督」
「副司令官モートン少将に連絡、指揮権を委ねる……」
そこまで言うと、アル・サレム中将は吐血し、気を失った。
<モートン>
敵の艦隊は凄まじい速度だ。
同盟の全てを見渡しても、あれほどの速度を出せる指揮官はいないかもしれない。
いや、帝国でも彼の艦隊速度は随一だろう。
「旗艦パラミデュース被弾、アル・サレム提督が負傷された模様。閣下に指揮権を委ねるとのことです」
何と、アル・サレム提督が!!
「分かった、指揮権を引き継ぐ」
アル・サレム提督は大丈夫だろう……。
いや、それを考えるのは後にしよう。
とにかく、今はこの窮地を脱出するのが先決だ。
――ヴァンステイド星域――
ヴァンステイド星域では第八艦隊がメックリンガー艦隊の攻撃を受けていた。
第八艦隊司令官のアップルトン中将は暴動が起きた段階で準備を整えさせたため、メックリンガー艦隊の襲来にもどうにか対応が可能だった。
だが、それでも士気の差は大きく、形勢不利と判断したアップルトンは撤退行動に移る。
メックリンガーも、既に撤退態勢を整えている敵を無理に追撃して無駄な被害を出すことを好まなかったため、第八艦隊は3割ほどの損害を出しつつも撤退に成功した。
――レ
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