第15話 アムリッツァ前哨戦
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めた。
――ビルロスト星域――
同盟軍第五艦隊はロイエンタール艦隊と接触後、直ぐに離脱を開始したものの未だ振り切れずにいた。
「敵の追撃を振り切れません、どうされますか? ビュコック提督」
「どうするも何も、ここは逃げの一手じゃ。全力でイゼルローンに撤退するんじゃ」
「はっ」
「やれやれ、撤退準備をしておった我々でもこの有様……他の艦隊はダメかな」
「何かおっしゃいましたか?」
「いや、気にせんでいい。年寄りは独り言が多いでな」
――ドヴェルグ星域――
ハプスブルク上級大将を総司令官とする帝国軍の別動隊50000隻はドヴェルグ星域で同盟軍の第七艦隊と接触した。
「敵艦隊発見! 数、13000」
「zzz」
「閣下、起きてください」
「……んん、俺の眠りを妨げるのは誰だ?」
「閣下、寝ている場合ではありませんぞ。敵です」
「敵ぃ〜? 仕方ないな〜。んん、全艦攻撃開始! 数はこちらが上だ。敵を包囲して袋叩きにせよ。それと、ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』の第4楽章をかけろ」
「はっ?」
「気分だよ気分、今はそういう気分なんだ」
「はぁ……」
その間にも、4倍の帝国軍に包囲された第七艦隊は瞬く間に数を減らしていく。
「見ろ、圧倒的ではないか我が軍は! 艦《ふね》がゴミのようだ」
「敵に降伏勧告を出されてはどうでしょうか」
「うん、確かにこれ以上イタぶるのも忍びないな。敵に降伏勧告を送れ」
「はっ」
直ちに第七艦隊へ降伏勧告が送られる。
しばらくして、
「閣下、敵将より『降伏勧告を受諾する』と言ってきました」
圧倒的な戦力差に勝ち目は無く、撤退も不可能と見た第七艦隊司令官のホーウッド中将は降伏を受諾したのであった。
――ヤヴァンハール星域――
ヤンは綿密な計算の下、艦隊の陣形を半月形に変化させた。
「敵は半月形の陣形をとりました」
「なに?」
「右翼に攻撃が集中してきます」
ケンプ艦隊の右翼に攻撃が集中し、それに伴い損害も増えいく。
それに対し、ケンプはヤン艦隊の半月陣に合わせて防御ラインをシフトすることで対抗する。
「敵が防御ラインをシフトしてきました」
「フィッシャー少将に連絡、第二段階に」
「はい」
第十三艦隊は、今度はケンプ艦隊の左翼に攻撃を集中する。
「今度は左翼か」
「直ちに防御ラインの変更を」
しかし、これもヤンの予想の内であった。
「第三段階、敵右翼」
またも、ケンプ艦隊の右翼に攻撃が集中する。
「また右翼に来ました」
「敵に乗せられるな。こちらも半月陣を敷いて、敵
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