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竜のもうひとつの瞳
第五十八話
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か、織田信長が復活するステージがあるわけだから、こういう魔法染みた話もあって不思議は無い。
というよりもBASARA自体何があっても不思議じゃないという感覚の方が大きいというか……ねぇ?

 「……現実を受け入れられなくて作った妄想か何かかなぁ」

 でも、そんな妙な世界であっても現実的な考えをする人間というのは必ず存在して、まともなことを言った佐助に少しばかり感心をしていた。
とはいえ、それで済ましてやれないのがこの世界なのよね。

 「でなければ、実際の出来事か」

 私がそう言うと、佐助がマジで言ってんの? と言いたそうな顔で見てきやがった。
何だか渾身の力でぶん殴ってやりたくなったけど、今はそんなことよりも情報が欲しい。

 BASARAの世界であることを前提に考えて、一番“現実的”に有り得るのは……

 「この世には常識を覆す、不可能を可能にする力があるでしょ」

 私の言い回しに、佐助がはっとした顔をする。

 「……婆娑羅の力か!」

 分かってくれたようで何より。これで分からなかったらどうしようかとも思ったよ。
村一つを飲み込むほどの力があるのかどうかは分からないけど、この事件の裏側に婆娑羅の力が使われていると考えれば辻褄は合う。
お化けが出てきた、とか、神隠しに遭った、とかよりはずっと現実的だし、婆娑羅者が絡んでるとなれば調査もしやすい。

 「婆娑羅の力を持った人間が第六天魔王復活の為に攫っている、そう考えるとスッキリしない?
まぁ、まだ関連があるかも定かじゃないし、確定情報じゃないけど」

 「確かに可能性の話だけど……その線で調査するには十分だろうな。
ここまで何事も無かったかのように人間だけ攫うってのも、しかも日中にってのは簡単に出来るもんじゃない。
婆娑羅者が絡んでるって考えた方が対応もしやすい」

 うん、そうだろうね。確かな情報じゃないけど、手がかりにはなった。
でも、織田の動向が分からない以上、目的地は変わらないのよねぇ……。
それに一体誰がこんなことをやってるのかってのもわからないままだし。

 やっぱり本能寺目指して走るしかないか。

 これ以上、甲斐で情報も集まりそうにないし、ここは御暇させてもらって甲斐を抜けるとするか。
っていうか、あんまり幸村君と接してると元気を吸い取られそうな気がしてさぁ……。

 「さす」

 「報告します!! 躑躅ヶ崎館が謎の襲撃を受けた模様!! 敵勢力は不明! 報告に現れた兵の話では黒い手が襲ってきたと……」

 御暇させて、と言う前に兵が齎した報告に私達は眉を顰めていた。
これはヤバい。今までは農村とかだったけど、ついに連中、敵の本拠地にまで手を出してきたか。

 報告を聞き終える前に躑躅ヶ崎
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