第94話
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だが……」
ガイウスの疑問に続くようにラウラは戸惑いの表情でデュバリィに訊ねた。
「――――――貴族連合軍に協力していた”裏の協力者”の一人であった私が今更言った所で信じられないかもしれませんが………私自身は”灰色の騎士”の妹――――――エリスがクロチルダ様と前カイエン公の指示によって”黒兎”によって拉致され、カレル離宮に幽閉されていた事は正直”不服”でしたわ。」
「え……ど、どうしてですか?」
デュバリィの本音を知ったアリサ達がそれぞれ驚きの表情を浮かべている中トワは信じられない表情で訊ねた。
「――――――私は至高の存在にしてこの世で最も高潔な騎士たるマスター―――リアンヌ様直属の”鉄機隊”の”筆頭”。鉄機隊の”筆頭”として”人質”や”誘拐”等と言った”外道”な事は決して行わなかったマスターの意思に反する事は今まで決して行った事はありませんし、私を含めた”鉄機隊”の隊士達は全員、”外道”な事は忌み嫌っていますわ。………例え”結社”という世間から見れば”外道”を行う組織に所属しようとも、民間人に意図的に危害を加えるといった”鉄機隊”の名を汚すような行為は決して行いませんでしたわ。………シュバルツァーのように自ら戦に参加して敗北して幽閉の身になったのであればともかく、今まで戦いとは無縁の女学生として平穏な生活を過ごしていたエリスを目的の為とはいえ、拉致して幽閉するような”人道から外れ過ぎた行為”には私にとっては色々と思う所があったのですわ。」
「あんた………」
「やれやれ……あ奴の下に就く者達は皆、あ奴のように高潔な性格な者達ばかりになる事はどの時代でも変わらんの。」
「う、うーん……こうして彼女の事をよく知れば知る程、ますます”結社”のエージェントだった人とは思えませんよね?」
「そうね……騎士道精神といい、外道な事を嫌っている事と言い、どちらかというと遊撃士寄りな考えを持っているわよね。」
デュバリィの話を聞いたサラが複雑そうな表情でデュバリィを見つめている中、ローゼリアは苦笑し、苦笑しながら答えたアネラスの感想にシェラザードは静かな表情で同意した。
「なるほどな……って事はエリスを拉致して幽閉する事を決めたヴィータやカイエンのオッサンの判断に対してアンタは”黙認”していた事でエリスの件に対する責任や罪悪感を感じていたから、その責任を取る為に”槍の聖女”直々の頼みとはいえ反論することなくエリスの”師匠”を引き受けたのか?」
「ええ。まあ、マスターの事ですから恐らく私の心情を察してそのような頼みをされたと思っていますわ。そして二つ目の理由ですが………シュバルツァーの件ですわ。」
「へ。」
「リ、リィンも関係しているって……まさかそれも内戦の
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