第85話『恋バナ』
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ゃん、しようよ恋バナ」
「私そういうの慣れてないんですけど…」
「いいっていいって」
グイグイと恋バナに誘う女子に対して、乗り気でないのは、優ちゃんこと優菜である。
学年一のルックスを誇り、クラスの学級委員も務める優等生。初めは人から距離を置かれていたが、月日が経って、あだ名で呼ばれるくらいには周りに慕われるようになっていた。
「ずばり好きな人は?」
「結構直球ですね…」
「私知ってるんだよ? 今日海で優ちゃんが他のクラスのグループに交じって遊んでたこと。あの中に狙ってる男子でもいるんじゃないの?」
女子はニヤニヤしながら優菜に訊く。学年一の美少女の恋バナとか、気にならない訳がないのだ。ここらでゴシップの1つでも掴んでおきたい。
「あの人じゃない? 運動も勉強もできるかっこいい人」
「あ〜、優ちゃんを誘ってた人か。結構イケメンだからお似合いじゃない?」
「それとも、あの可愛い男子かな?」
「ありえそう〜」
優菜を除く女子たちがドンドンと話を進めていく。当の本人は置いてけぼりだ。
しかし、女子の1人が極めつけに問うた。
「それで優ちゃん、実際のところどうなの? あの中に気になってる人がいるの?」
女子たちが期待の眼差しで優菜を見つめる。どうやら、誤魔化しは効かなそうだ。
「そうですね──いますよ、気になってる人」
そう言って優菜は、柔和な笑みを浮かべた。
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