第85話『恋バナ』
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あさ、三浦君とどこまでいったの?」
「え、どこまでって?」
「とぼけないでよ。ほら、手繋いだりとか、キスしたりとか・・・」
「それならどっちもしたけど」
「え!? それなのにまだ付き合ってないの!? 順番おかしくない!?」
「そう言われても…」
結月が正直に答えると、女子は呆れたように頭を振る。しかしこればっかりは、結月にはどうしようもない。晴登が受け入れてくれない限り、この中途半端な関係は続いていくだろう。
「なるほど、問題は三浦君の方か…」
「別にいいよ、そんなに焦らなくても。ボクは今のままでも十分楽しいから」
「見ている方がやきもきするのよ! 早くくっつけって!」
「えぇ…」
なんと理不尽な理由だろうか。本人たちの意思をガン無視である。
そりゃ確かに、晴登と恋人関係になれたとしたらとても嬉しいけど…。
「けどそれもこの林間学校までね。結月ちゃん、花火の噂は覚えてる?」
「あ、この前話してたことだね。一緒に見るよう約束したけど」
「相変わらずのその積極性は尊敬するよ。いい? これはチャンスなの。後は大人しく噂に踊らされなさいな!」
「わ、わかった」
結月はとりあえず納得しながら、一方で花火の噂を思い出していた。その内容は決して難しいことでも突飛なことでもないが、真偽の保証も当然ない。あくまで噂は噂という訳だ。
とはいえ、そうだとわかっていても、緊張してしまう自分がいるのだが。
「勝負は明日! 自信を持って!」
「頑張ってね、結月ちゃん」
「いい報告を期待してるよ」
「う、うん!」
応援されて、結月は戸惑いながらも返事をする。
要は明日の花火の時に、晴登に告白しろということらしい。確かに舞台が整えば、晴登もきっとはぐらかすことはせずに向き合ってくれるだろう。ここで彼が受け入れてくれるかどうかが全てだが、結果がどっちに転んでもきっと大丈夫。彼となら上手くやっていけるはずだ。
「それじゃもう寝ようか」
「そうだね」
莉奈が明かりを消し、テントの中が真っ暗になる。寝袋に入った結月は、暗闇を眺めて明日に想いを馳せながら、静かに目を閉じた。
*
またまたその頃、別のテントでは。
「それじゃ恋バナしようか!」
「唐突だね〜」
「だってだってキャンプなんだよ? 恋バナしないともったいなくない?」
「そんなことはないと思いますけど…」
ここでも女子たちがやんややんやと騒いでいた。
キャンプの夜というか、友達と集まって寝るとこういう展開になってしまうのは、もはや中学生の性なのかもしれない。
「いいじゃん優ち
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