第85話『恋バナ』
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トでは。
「ねぇねぇ、莉奈ちゃんって好きな人いないの?」
「え〜?」
莉奈や結月がいる班、ここでも就寝時間になったにも拘わらず、恋バナが始まっていた。ちょうど今、班員の女子が莉奈に質問したところだ。
「男子と結構仲良いけど、誰か狙ってたりするの?」
「いやいやまさか〜」
「三浦君とか幼なじみなんでしょ? 何かないの?」
「ないない。アイツは弟みたいなもんだし。私はもっと歳上の人がタイプだもん」
「へ〜」
莉奈が答えると、女子は納得しつつも少しだけ不満な顔をする。他に期待してた答えでもあったのだろう。残念ながら、そういった話は持ち合わせていない。
「それに、晴登はもう結月ちゃんのものだから、手を出したら怒られちゃう」
「べ、別に怒らないよ! ていうか、まだボクのものじゃないし…」
「"まだ"ってことは、今後そういう可能性もあるってことだよね!」
「え、あ、あくまで可能性の話だけど…」
結月が呟くように言った言葉に、班員の女子が耳ざとく反応する。それに気圧されながらも、結月は一応肯定した。
「私ちょっと結月ちゃんの話聞きたいな。この際、プライベートな所まで」
「えぇ!?」
「いいじゃん。せっかく林間学校にまで来てるんだから、いつもとは違う話しようよ」
女子はぐいぐいと結月に迫る。結月は困惑し、助けを求めようと莉奈の方に視線を送った。しかし、彼女もまたその話が気になるのか、ニヤニヤしたまま助け舟を出してくれない。
「はぁ、わかったよ…。何が訊きたいの?」
「ずばり、三浦君のどこに惚れたの?」
ついに結月が根負けすると、女子は直球の質問をしてきた。彼女らにとって晴登にはこれといった特徴が無いから、どこに好意を抱いたのか気になるところなのだ。
「うーん、優しいところかな」
「おーベタだねぇ」
「それに強くて」
「そ、そうなの?」
「いつもボクを守ってくれるんだ」
「彼って騎士か何か…?」
結月が一つ一つ答えを挙げていくと、女子たちがドンドン訝しげな表情に変わってくる。決して間違ったことは言ってないのだが。
それにしても「騎士」か。あながち、結月にとってはそうなのかもしれない。気分はさながらお姫様だ。一応本当に姫ではあったけども。
「とにかく、ボクはハルトの全部が好きだよ」
「乗り気じゃなかった割に、そこは言い切るのね。聞いてるこっちが恥ずかしくなるよ」
結月の大胆な発言に、女子たちは圧倒される。しかしこれはいつも公言している訳だし、今さら隠すようなことでもない。というか、この気持ちだけは誤魔化したくはないのだ。
「じゃ
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