第二章
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「ベスに何かあるのか」
「キリを虐待しているとか」
「ええ、若しかしてフィンかも知れないわね」
「君が家を出たら泣くから」
「帰ってきても泣くし」
「確かに怪しいね」
夫は眉を顰めさせて言った。
「それは」
「そうよね、だからね」
妻は夫にさらに話した。
「家に防犯カメラを置いてね」
「ベスの動きをチェックするんだね」
「そうしない?」
「うん、ベビーシッターの虐待もあるしね」
アメリカではこうした犯罪もあるのだ、ベビーシッターが皆いい人かというとそうとは限らないのだ。
「それじゃあね」
「防犯カメラ置きましょう」
「そうしよう」
こうしてだった、家に防犯カメラを置いてベスの動きをチェックすると二人の危惧は不幸にして当たっていた。
その動画を見て二人は真っ青になった、何と。
「これは酷いわね」
「ああ」
夫は妻の言葉に頷いた。
「フィンを怒鳴って叩いて」
「そして揺さぶってな」
「まだ赤ちゃんなのに」
「こうしたベビーシッターはいるとは知っていたけれど」
それでもとだ、夫は述べた。
「それでもね」
「まさか私達のところに来るなんて」
「思わなかったな」
「ええ、しかもね」
キャシーはビデオが映した動画をさらに観つつ話した。
「虐待の度にキリが来てくれて」
「そうしてだな」
「フィンを護ろうと二人の間に入ろうとしているわね」
「吠えて唸ってな」
「何度叩かれてもね」
「凄いな」
「キリはフィンを護ってくれていたので」
キャシーはこのことがわかった。
「いつも通りに」
「そうだな、そしてベスを最初に見た時にだな」
「吠えてね」
「唸ったんだね」
「最初見て気付いたのね」
キリ、彼はというのだ。
「ベスがどんな人か」
「そうだな、じゃあな」
「キリには感謝しないとね」
「本当にな、そしてベスはな」
「動画を警察に出してね」
「逮捕してもらおう」
「そうしてもらいましょう」
こう話してだった。
二人はすぐにビデオの動画を警察に出してベスを刑事告訴した、その結果ベスは捕まり多額の賠償金を支払わさせられ刑務所に入ることになった。
そしてフィンは今度は確かなベビーシッターに預けられたが。
ことが収まってだ、夫婦は家でキリに言った。
「キリ、有り難う」
「お前のお陰でフィンは助かった」
「貴方は本当にいい子ね」
「あのベビーシッターからフィンを護ってくれてたなんてな」
「何度お礼を言っても足りないわ」
「本当に有り難うな」
「ワン」
キリは二人の笑顔でのお礼に鳴いて応えて。
そして揺り篭にいるフィンの傍に行って彼を護る様に寝そべった、夫婦はその彼を見てそのうえで言った。
「ずっとフィンを護る」
「そうして
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