ちいさなしまのおはなし
夜の静寂に
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んだ!」
「何すんだ、じゃないわよ!あんな分かりやすく気持ち悪い顔浮かべて、その子連れ出して!気づかないほうがバカでしょ!君、大丈夫?」
起き上がって怒鳴りつけたいじめっ子に怒鳴り返したのは、女の子である。
うん、って譫言のように返事をすれば、女の子はよかった、って笑った。
「無視してんじゃねー!」
「女のくせにでしゃばるな!」
「いじめを助けるのに、男も女も関係あるかよ、バーカ!」
「何だとぉ!?」
「1人を虐めるのに、複数人で虐めないとなーんにも出来ない奴が、威張ったって怖くないわよ!卑怯者!」
2人がべーって舌を見せて、いじめっ子達を莫迦にする。
ぐぬぬ、となったのはいじめっ子の方だった。
治1人に対して、いじめっ子は4人もいる。
主犯格がいない時は何もしてこないくせに、主犯格がいると途端に威張り散らすような取り巻きなど、確かによく考えたら何の脅威にもならないのだ。
とは言え、彼方も2人しかおらず、心許ないのは変わりない。
それにも関わらず、女の子の方は口撃の手を緩めることはなく、治は凄いなぁと何処か他人事のようにそれを眺めていた。
「うるせー!女のくせに!」
「そうだそうだ!女のくせに!」
「ふーんだ、女のくせにって言葉しか返すことしか出来ないのはそっちでしょ!悔しかったらもっと勉強して、日本語覚えなさいよ!太一だってもう少し口喧嘩できるわよ!」
「おい、俺を巻き込むな!」
思わぬ方向から飛び火してきたことにびっくりした男の子が、抗議をしたが女の子はそれを無視した。
「さっさとその子から離れて、どっか行きなさいよ!」
「じゃねーと先生に言うからな!」
「…ちっ!」
2人の剣幕に気圧されたのか、いじめっ子達は面白くなさそうな表情を浮かべて立ち去って行った。
憶えてろよ、という捨て台詞を吐かれたが、うるせー速攻忘れてやる、とまた舌を出した。
そそくさと立ち去っていくいじめっ子達の背中を見送り、男の子と女の子が治の下に駆け寄ってきた。
「大丈夫だったか?」
「怪我とかしてない?何か他にされてない?」
それが、治と太一と空の、最初の邂逅であった。
グレイモンがシェルモンをぶっ飛ばした後、あの浜辺は危険だと言うことで、子供達は急いで荷物をまとめて海が見下ろせる崖の上へと避難することにした。
太一が崖から落ちそうになったり、モノクロモンの縄張り争いに巻き込まれたりと、ちょっとしたアクシデントはあったものの、無事に切り抜けられた。
グレイモンが再びアグモンに戻ったのは何故だと言う疑問はもたげたけれど、今の彼らが気にするべきはそれではない。
色んな絵具を混ぜ合わせたバケツの中の水をぶちまけ
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