ちいさなしまのおはなし
夜の静寂に
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たい!」
「他のみんなは寝てるっつーのに、夜更かしか?ん?いっちょまえに大人な表情してやがって。何話してた?言えっ、おらっ!」
「ぎゃー!」
うりうりと自分の頬を大輔の頬に押し付けてやれば、大輔も満更ではなさそうな表情で太一から離れようともがく。
じゃれ合っている先輩と後輩は気づかない。
『タタタタタタイチ!?何してるの!?』
薪の前で留守番していたアグモンは、島の縁が少し騒がしいことに気づいてそちらに向かう。
その際、島を構成している細かい石の塊とは違う感触を足の裏で感じたが、今はそれどころではない。
太一の声がする方向に行ってみれば、太一が後輩の大輔とじゃれ合っている姿を見た。
が、その光景に和むことは出来なかった。
太一が、ブイモンに抱き着くように触れている
もうそれだけで、アグモンの度肝を抜くのに十分であった。
黄色い顔を真っ青にさせているアグモンに、太一と大輔はキョトンとしている。
『タッ、タイチ!ブイモンから手を離して!』
顔を真っ青にさせながら、突然そんな忠告をしたアグモンを不思議に思った太一と大輔がブイモンの方を見ると……ブイモンはがっちーんと硬直していた。
目を見開いて、尻尾と頭のへにょっとした触角がぴーんとなって、ぎぎぎ、と壊れたロボットのようにぎこちなく顔を動かして、自分の肩に回された太一の手に目線をやる。
え、え、と困惑する太一を他所に、アグモンがあわわわわって言いながら彼の手をブイモンから引きはがした。
が、時既に遅し。
「?おい、何だ…。」
『………う、』
恐怖に引きつる表情を浮かばせたブイモンが森に響くほどの悲鳴を上げたのは、数秒後。
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