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曇天に哭く修羅
第四部
課題 2
[2/2]

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[九州領域]

鹿児島

【夜刀神学園/やとがみがくえん】

二年生

《シャルル・ロード・ガイロス》

ドイツから移住してきた貴族の末裔で、何処ぞで人外と交わった王族の血脈に当たる。

破格の戦闘能力と天賦の才を持つ。

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『特に龍帝学園の立華紫闇選手は白髪や戦い振りから朱衝義人の再来とも言われており、前年度の個人戦と団体戦を両方とも制した鳳皇学園とのライバル校同士による戦いが期待されますッ!』


あの義人と比較されるところまで来たのかと思うと紫闇は感慨深かった。


『去年は世界最強とされていた四人の魔神が倒される未曾有(みぞう)の出来事が有りましたが今年も定番となっている企画は有ります! つまり【個人戦】を制覇した優勝者と魔神の対決ッ! その名も【頂上決戦】ッッ!!』


全領戦の個人戦優勝者(シングルチャンピオン)はボクシングのランキング1位に相当する。

1位より上のチャンピオンやタイトルホルダーと言われる選手に当たるのが魔神だ。

魔神は【無明都市(ロストワールド)】の解放者になる代償として【古神旧印(エルダーサイン)】を喪失してしまうので学生魔術師の【天覧武踊】には出られない。

なので普段は魔術学園を卒業した者が戦う【プロリーグ】に参加したり、国からの任務を行って過ごすことになる。

しかしそんな魔神が現役の学生魔術師と公式に戦う機会が年に一度だけ有った。

それが個人戦優勝者との頂上決戦。


(日本に所属している魔神の中から一人だけを選んで挑戦できる。日本中の学生魔術師が目指す最終目標がここでの勝利)


もちろん紫闇も強い興味を示していた。

勝っても古神旧印は完成に近付かないし、賞金が出るわけでもない。

だが凄まじい名誉を得る。

特に現在の日本に居る魔神は魔術師が発祥したとされている紀元前2000年から現在までの4000年以上に及ぶ歴史でも最強とされる面子(めんつ)

学生魔術師に限らず世界中の魔術師が彼等との戦いを希望して止まない。

中には彼等を倒して日本の戦力を削り影響力を弱めようとする(やから)も居るが。

勝てれば魔術師だけではなく、『人類』という大きな(くく)りの史上で最強の一人として後世の末代まで長く広く名を残せるだろう。


「そう言えばイリアスさんとアンゲルさんも日本に国籍と所属を変えたんだっけな。あの二人と戦えるかもしれないぞ紫闇」

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